Family Portrait

生き物の中で生殖機能が働かなくなっても生きられるのは、人間の女性だけだそう。
では、どうして人間のおばあちゃんは生きていられるのか?
それは、人間には知恵があり、それを伝えるため。

という論文が話題です。
生命体系にも影響するほどおばあちゃんの知恵は大切な物。
chocolatmagは、そんな関係にも視点をあてていけたら。
このファミリーポートレイトはできるだけ親子3代で撮り下ろしたいと考えました。

 

創刊号はニーナ、エマ、ガエル3代インタビュー。

.001-NINA EMMA GAËLLE

パリ、paris,
photo©manabu MATSUNAGA

  「Ninaのママンは踊りが上手なんだよ」5歳のMOEが幼稚園から帰ってくるなりそう言った。

そして差し出したのがニーナ5歳のお誕生会の招待状だった。当日MOEをニーナの家まで送り届けると、ボーダーを着て鼻の下にちょびひげを書き海賊に仮装したニーナのママンとおばあちゃまのガエルが出迎えてくれた。ニーナのママンは舞台女優のEmma de CAUNES(エマ ドゥ コウヌ)おばあちゃまはドキュメンタリー監督でシナリオライターのGaëlle Roye(ガエル ロワイエ)踊りが上手なのは本業だからであった。そんな芸能一家に産まれたニーナは公園では誰よりもすばしっこく、学校ではポエムの朗読と算数が得意、そしてなんだか気っぷがいい女の子なんです。こんなニーナのママンとマミー(おばあちゃま)をインタビューです。

 

子育てのキーワードは”シンプルに!” ”現実を見極める力”

 

ママン・ガエル×エマ

エマは産まれた時から音楽に近いところにいるの。かごのベッドをスピーカーの上に置いていたので、静かに流れる音楽を体中で感じ聞いて育ったんですもの。それはちゃんと今でも残っていて、エマは音楽が大好きだし仕事にも良く影響したと思う。赤ちゃんは何もしゃべれないだけで、自分に何が必要かちゃんとわかっているの。

思春期から大人になるまでは一時期少し距離が離れた。これは普通のことで仲が悪かった訳でもないの。そして、ニーナが産まれてからはまた関係が近くなった。むしろ前よりの親密になったと思う。二人でしょっちゅうニーナについて話し合ってる。もちろん彼女が母親だから決めるのは私ではない。でも、自分の思いは伝えるようにしてる。

 

マミー・ガエル×ニーナ

私とニーナの出会いは分娩室。こどものお産に立会うのはフランスで珍しいこと。

私はエマの足元に立っていた。ニーナの頭が出てきたときの光景がすごく印象的だったわ。

彼女は目をぱっちり開けていて、その顔とエマの顔が一直線に並んでいるの。その足元に私がいたんだから、第三者から見たら私も含めて親子3代が一直線に並んでいるのよね。忘れられない大切な想い出。

ニーナと一緒に出てきた胎盤を助産婦さんに頼んでもらったの。すごく変な人だと思われたわ。これはフランスでは許されていないんだけど、この胎盤の一部でホメオパシーのレメディーをベルギーで作ってもらうため。調子が悪くなるとこれを飲ますでしょ、あっというまに元気になるの。今はもうすべてニーナが飲んでしまってないけれど、なくなる頃にはニーナも大きくなって体も丈夫になって胎盤レメディーも必要なくなったわ。そして、残りの胎盤は田舎の家の庭の土に埋めその上に木を植えたの。胎盤は免疫力、栄養があるので丈夫な木が育つの。もちろんその木の名前は「ニーナの木」というのよ。

エマを育てる時にも極力自然に触れさせる生活をしていたけれど、今の私には時間があるのでニーナにはもっとたくさん自然に触れさせることができる。自分の子どもにはできなかったことが、孫にはしてあげられる、これもおばあちゃんの仕事のひとつなのかもしれないわね。

 

 

 

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photo by Matsunaga Manabu

Interpreter by Misato Raillard

Text by chocolatmag