Family Portrait

  MOEの幼なじみのお誕生会で年に一度はお会いしていた素敵な家族。

独特な空気が3人の周りを取り囲んでいて、それは一緒にいる私たちを幸せな気分にさせてくれる。

決してスピーディーではない、マイペースともちょっと違う、なんだろう?

  そんなお二人の仕事、家族、子育て、興味津々です。

漫画家かわかみじゅんこさんのご主人と言ったら

「ああ! パリパリ伝説のフィリップさんね」とわかる方も多いのでは?

 

フィリップ・カザバンさんのインタビューです。

-001.Junko KAWAKAMI & Philippe CAZABAN

photo©manabu MATSUNAGA
photo©manabu MATSUNAGA

アートディレクターを経て今は独立して”スポーツとアート”という分野のスペシャリストとして活躍しているフィリップさん。

水曜日の午後は仕事を入れないで娘さんと過ごすため仕事はオフ。

こどもがとにかく好きだから、こどもの近くにいたいと思う。というほどのこども好き。

一緒に植物の世話をしたり、カードゲームをしたり、2週間前には補助無し自転車が乗れるようになった!。

”教育”と意識して接するのではなく、一緒に時間を過ごすという感じ。そしてイージーゴイング子育て、だとか。

 

子育ての軸は?

難しい。本当のことを言う。嘘をつかない。役にハマるんではなく本当の自分ですべてに接する。

そして、いろいろな物に興味を持つ感性を身につけてほしい。

 

その軸で選択したのが公立校

自分は公立の学校から私立に行ったけれど、私立はお金持ちのこどもが集まっていて、同じような家庭環境の人間しか知らないで育ってしまう。そうすると、視野が狭くなり、自分と同じ人間しか受け入れない人間になってしまう。フランスはそれが問題だと思う。公立にいるいろいろな人たち、それは人種も含めてだけど、ミックスな環境で育てることがとても重要だと思う。物、アート、動物、いろいろなことに興味を持つことがとても大事だと思うから。それは人に対しても同じ。それには公立はとても適した環境だと思う。これは”教育”というより、その本人の幅を広げるためのに必要なアンテナ”感性”を育む場所だと思う。

 

フランスと日本の子育ての違いに対して

赤ちゃん時代が特に違う。同じとらえ方ではない。たとえば一緒に寝るなんて考えられないし、もうどうしていいか!?

別の結婚では大きな娘がいて、そして、じゅんこは日本人で小さな娘、比べてしまうと育て方がまったく違った。でも、この違いというのは決して悪いことでは なく、いい意味もたくさんある。フランスでは今こどもが王様でちやほやされていて日本と比べるとちょっとルーズな感じがする。日本もこども中心だけれどき ちんとルールが決められている様に思う。たとえば、じゅんこはこれはダメと決めたら徹底するけれど、ぼくの場合はいいんじゃない、いいんじゃないってなる ことが多い(笑)。

 

印象に残る出来事。

家で僕がずっとDVDを探していたが見つからず、仕方がないので図書館に3歳の娘と一緒に行き、背表紙だけで棚の中からすぐに”これでしょ?”と 見つけ出した。字もまだ読めない頃の話。見て記憶する力が人並み以上にあると思った。神経衰弱のようなカードゲームは6歳になった娘とはしたくない。いつ も負けるから(笑) じゅんこのスキャナーのような記憶力を受け継いだんじゃないかと思う。

 

 

バカンス

娘は6歳なので、同年代のこどもといることが嬉しいということがわかって、いとこや子供のいる家族と過ごすことが多い。じゅんこはカルカッソンヌ以外の都市にも行ってみたいんだけど、そこに家族が両親、おばさん、いとこみんないるからバカンスと言えば里帰り。今年の夏は実家の近くに家を借りて滞在することになっている。

それとは別に、娘が小さい頃から一緒に旅行をした。ロンドン、スペイン、もちろん日本。本当にどこへでも。娘は自分用のキャスター付きバッグを持ってちゃんと歩くし、何の問題もない。もう、レストランで食事する方が好きになってしまったし(笑)。いろいろな物を見せたいけれど、こどもっていうのは飽きっぽい。長女が9歳のときに初めてロンドンに行って、何がいちばん気に入ったことは?と尋ねたら”リージェントパークのアヒルさん”って。こどもってそういうものだとおもう。でも、見ていない訳ではなく、旅行で何かした発見したり、記憶したりしているので、もう少し大きくなったらそれが”興味を持つ”ということの手助けになるんじゃないかな?と思う。

 

 

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Philippe CAZABAN

Baccalaureat  à Toulouse (sud ouest) puis Ecole de dessin technique et artistique à Paris.

10 ans : directeur artistique dans la communication publicitaire.

10 ans : directeur de création dans la communication.

depuis 5 ans : Photographe et directeur artistique free lance.

Photo documentaire, exposition, mise en valeur du patrimoine sportif ( livres, musée, photo, vidéos )et voilà…

 

フィリップ・カザバン

1965年生まれ。南西の都市トゥルーズでバカロレア取得。パリの美術学校卒業。

出版 、広告業界にて20年間アートディレクター、クリエイティブディレクターを務める。

5年前からフリー の写真家、アートディレクターとして活動。

主にドキュメンタリー写真、展覧会、スポーツの世界の総合的なヴィジュアル

(書籍、美術館、写真、ヴィデオ)を担当する。

www.cazarama.com

 

 

photo by Matsunaga Manabu
Interpreter by Misato Raillard
Text by chocolatmag