セ・ラ・ビ Back Number

2010年

7月

30日

-004.Surprise-サプライズ

パリ、エッセイ、子育て

世来は、たくさんのサプライズを私にくれました。
まだ目もよく見えていないのに私を見て笑った時。
はじめてママって呼んでくれた時。
いつのまにか自分の名前を書けた時。

子どもが与えてくれるサプライズは何よりもうれしい。
つくりものじゃなくって本当にこころが温かになる。

小学校2年生の朝、登校前に、
見慣れないでこぼこのカフェオレ・ボールになみなみとカフェを入れてくれて、
飲んでねって言われた事を思い出す。
忙しさにかまけて、なんでも後でね、が口癖だった私。
たくさんのサプライズを後回しにして来た気がする。
ごめんね。
今も大切にしているよ、世来からのでこぼこカフェオレ・ボール。
飲んでしまった後にでてくるサプライズ。
今度はすぐ飲むよ、ありがとう。

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2010年

6月

25日

-003.ぼくのなかま

パリ、こそだて、ぬいぐりみ

ひとりっ子の世来にはいつも小さななかまがいました。
寝る時も、ごはんを食べる時も、旅行する時もいつも一緒。
しかられたりして、悲しい時には何時も傍にいてなぐさめてくれる大切ななかま。
産まれたときから持っているガーガーことアヒルのぬいぐるみ。
お猿年に産まれたからな、おさるのぬいぐるみを大切にしていました。
この2匹のおさるには名前が有るのか、ないのか未だ知らない・・
世来の秘密?
フランスでは男の子もぬいぐるみを持つのは普通だし、大人になっても
大切に持っているもので、素敵な習慣だと思います。
言葉を持たない仲間だから、世来が何時もかれらの言葉になったり、
学校から帰ると、「おりこうさんにしてた・・・」なんて声をかける。
叱られて悲しい時には彼等も世来の涙でぬれていたり、お菓子を食べた後は
かれらの口元も汚れてる。いつも一緒だった。
思春期ににさしかかった頃、ガガーの首をしめながら、
くそババーって、私の代わりに人質になったガーガー。
ごめんね。

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2010年

5月

23日

-002. je t'aime 〈ママン〉の絵

パリ、スウィーツ、ジャム

フランスの学校は絵を描かせる事が非情に多い様に感じます。
ポエム(詩)の時間にはそのポエムに合わせてまずイメージする絵を
描かせて、朗読させたりする楽しい授業です。
大人になると私は絵が苦手とか描けない・・・とか言う人が多くなります。
でも子供の頃はみ−んな絵を描いて育って来ました。
ことばが未だ上手く話せない頃には、かならず絵を描いて表現するし、
まず、いちばんたくさん描くのはママンの絵かな。
紙とえんぴつがあれば、かならず、「はい、ママン!」ってその日のママンの
表情をしっかり描かれてしまいます。
いつも怒っているママン顔は少しとんがっていたり。
笑っているママンの顔は口が顔からとびだしていたりします。

ありがとうの表現がきっとママの絵になって子供から造り出されるのだと思います。
世来が小さな頃に、ノートに忍ばせていた絵をみつけたことがありました。
やんちゃ坊主の世来を厳しくしつけるために、わたしはいつも怒ってばかりいました。
だから世来の描いた絵には、わたしの姿の後ろに悪魔に変したママンの絵だったのです。
子どもは、本当に敏感で、ナイーブです。うそはだいきらいです!
だから、ママンの本当の姿が何時も見えてしまうのですね。

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2010年

4月

20日

-001.靴とたいせつな時間

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column by 高山美奈/Takayama Mina

マガジン ハウスのパリ支局で編集に携わり

THE CONRAN SHOP japanのディスプレー、SHOPマネージャーを兼任
現在はparis Palais RoyalのJOURNAL STANDARDE LUXEのSHOPマネージャー
17歳男子のママンでもある