-001.靴とたいせつな時間


パリで息子の世来が誕生した時にまずプレゼントしたもの。
それは、革靴。Start-riteのレースアップ色はBROWN。
未だ,おしめを替える時にパクッと口にくわえたくなるくらい
小さな小さな足なのに、外出時には必ずこのレースアップを履かせました。
パリに憧れている頃に日本でよく見た、ロベール・ドアノーの写真集の中に
50年代の子供達が生き生きとスナップされていて、靴は必ずこのレースアップが
定番で,バカボンパンツにハイソックスを合わせて小学校くらいまで愛用しました。
朝起きてパジャマから御着替えする時に、椅子に座わらせて、今日いちにちの話を
しながら、レースアップの紐をキッチリ締めて登校しました。
毎日の事ですが、この短い時間が私と世来にはとても大切な時間でした。

この靴を初めて買った時に男の子でもアキレス筋をこのレースアップでキッチリ
履かせていると、真っ直ぐなきれいな脚に育つよと言われたことを憶えています。
今や長く伸びた世来の脚をみると、ン・・・・なかなか美しく成長しました!
それでも、良い事ばかりではなく、夏に日本でヴァカンスした時にもこのレースアップを
しっかり履かせていたら、いつの間にか世来の脚の指がかぶれてしまい、日本の
とフランスとの気候の違いで、湿気に密閉状態の革靴!お医者様には今日から
しばらくは、裸足で過ごす様に言われましたが、靴が決まらないと、どうもちぐはぐで
薄手のコッットンや麻の靴下を履かせて、愛用し続けました。

column by 高山美奈/Takayama Mina
マガジン ハウスのパリ支局で編集に携わり
THE CONRAN SHOP japanのディスプレー、SHOPマネージャーを兼任
現在はparis Palais RoyalのJOURNAL STANDARDE LUXEのSHOPマネージャー
18歳男子のママンでもある