-012. 迷子ひも論争♬

 

日本では今、幼児につける“迷子ひも”とか“ハーネス”とかいわれているリードが、ちょっとした論争を呼んでいるようです。

画像を見て、とても懐かしく思い出しました!今から15年以上前、確かに私も使っていました。そしてすごーくお世話になりました。フランスではよく見かけましたが、当時の日本では使用者ほぼ皆無。一時帰国時にも使ったのですが、たぶん現在の比ではありません。それはそれは奇異な目で見られましたわ。

駅のホームで、ご年配のおしとやかなご婦人に、「あら。まぁ。ワンちゃんじゃあるまいし。かわいそうに。お手々をしっかりつなぐだけではダメなんですか?」と声をかけられたこともあります。

私は丁寧にこたえました。

「たしかにそう思われるかもしれませんね。ご覧の通り、手は二本しかありません。それにいきなり手を振りほどいて別方向に走られたら、もうどうすることもできないのです」。

ご婦人はそれでも理解不能なようで、怪訝そうな表情をして離れていきました。

犬の散歩を思わせるからか、ペットじゃあるまいし、という意見がとても多いようですが、あの時代のやんちゃ坊主たちは、はっきり申し上げてペットよりタチが悪いとオモイマス。

ちなみに私の壮絶子育て回顧談はこんな感じです。⇒[-001.”壮絶”子育て回顧録〈渡仏以前〉

少々人目が気になっても、事故に遭わせるよりよっぽどマシです。誘拐だってあるかも知れません。使用期間はほんのいっとき。とにかく物騒な世の中、一瞬のスキで、何がおこるかわかりません。もちろん使わずにがんばれる方はその信念で頑張っていただければよいので、人は人です。

こんな軋轢など序の口。どうか母になったら強くなってくださいね、と申し上げるしかありません。

最後ですが、うーーーむ……子育てするにはやはりフランスの方がずっと恵まれていると。

 

 


column by 岩本麻奈/Iwamoto Mana
一般社団法人・日本コスメティック協会代表理事、皮膚科専門医

IRATI INTERNATIONAL 顧問
株式会社ドクターセレクト、株式会社セレクトビューティー、商品開発アドヴァイザー
銀座ツバキクリニック顧問医師
東京女子医大卒、慶応大学医学部で研修。市中病院で勤務ののち1997年に渡仏
現在はコスメプロデューサー、クリニックのコンサルタント
化粧品会社コンサルタントを務める傍ら、美容ジャーナリストとしても活躍
近著に『日本女性のための本当のスキンケア』(洋泉社)他多数

21,20,19歳の母でもある

 www.dr-mana.com