-020.春

季節が変わって、とても気持ちのよい春がやって来ました。
春の到来というのはいつも一歩下がって二歩下がる、という感じで、暖かくなったかと思って油断すると寒い雨が突然降ってきて風邪をひいたりしてしまいますが、やはり天気の良い春の日は本当にいつもワクワクします。
これから暑くなるまでまたあっという間だと思いますが、この短くて気持ちのよい季節をうんと楽しみたいと思います。
                        
春になると、バルセロナでも通りや公園のあちこちに、花が植えられているのを見るようになりました。
どうやら種を撒いているのではなく、花が咲いてから植えて、しかもわりと頻繁に(数カ月ごとくらい?)植え替えたりもしているような気がするのですが、子供達も花を見るとやはり「春」と強く思うようで、花に顔を近づけてくんくんと匂いを嗅いでみたりします。

 道端のタンポポを摘んで「はい、ママにあげる」と言ってくれたりするのはうれしいものですが、出掛けにそれをやられると、ずっと片手が塞がってしまうので、なかなか大変だったりします。

取っていい野草の花と、取ってはいけない花壇の花と、名前と一緒に教えて散歩していきます。

 

去年の秋の始まりにお伝えしていた子供達の学校での菜園は、その後冬野菜のレタスやネギを植えて楽しんでいましたが、収穫を待たずに冬休みに入ってしまったこともあり、生のままつまんで味見はできましたが、皆で美味しくサラダを食べるまでには至りませんでした。

 

 

そこでやっと春の到来です。こんどこそ夏休み前までに何かみんなで食べられるものができるといいね、という期待を込めて、にんじんやイチゴ、カブ、花などを植えていきます。
 
学校と子供達、お父さんお母さんも一緒になって、みんなで出来る時に世話をします。
我が家には庭がないので、種から、土に植えられるまでの野菜づくりを手伝うことにしました。
 
菜園にはぜんぜん詳しくないどころか、こちらで食べたくてシソを育てようと試みて何度も失敗経験のある私ですが、家で日当たりの良い場所にプラスチックの卵パックを置いてそこに少量の土を入れて、そこに子供達と一緒ににんじん、カブ、花、バジル、薬味ネギの種を植えてみます。
さらに周りを見渡してみてイウがままごと遊びの時に使っている白いいんげん豆(種用に買ったものではなく、食用としてスーパーで半キロの袋で売っていたもの)や、夕食後のデザートに食べ終わった後のリンゴの種、外で見つけてきたタンポポの綿毛など、本当に適当に、いろいろ水につけたり土に植えたりしてみて、様子を見守っていきます。
何日かして、ちいさな芽が見えてきてからが本当に楽しいのです。
一番早く芽が出たのはレンズ豆。
そして最も驚いたのは白インゲン豆。
豆ってすごい生命力なんですね。本当に。
インゲン豆は、「芽」と呼んでしまうには太すぎるような、ものすごくしっかりした茎が生えてきてびっくりしました。
ネギは二週間たっても今のところ何も起こりませんが、バジルは発芽率が高くて小さな芽がびっしりになってしまっています。
ある程度大きくなったら、卵パックごと学校に持って行って、放課後にみんなで土を耕して植えていきます。
いろいろなクラスやお父さんお母さんたちがいろいろと植えているので、用意した畑にはもう場所がありません。
まだ畑になっていない土を耕して、コンポストから取って来た土を混ぜて、新しい畑を作ります。
土を耕したら、穴を開けて、小さな芽を分けて植えていきます。
だいたい植えたら、周りを板などで少し囲って水をかけて、今日の作業はこれでおしまいです。
7歳の温よりも、4歳のイウと友だちのペペが畑作業に夢中です。
なかなかの力仕事ですが、土をほったり水をくんできたり、泥だらけになりながらせっせと手伝ってくれます。
  
さあ、育つでしょうか?それはまたのお楽しみになりそうです。

 

 

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Column by Tomoko SAKAMOTO
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)
というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
6歳の温(おん)と3歳のイウ、の二人の男の子を育てています