2014年

7月

03日

-030.Do It in Barcelona


ベラスケス、ラス・メニーナス+ミロ、女と鳥

みなさまこんにちは。
バルセロナはもうすっかり夏の陽気で、子供たちも夏休みに突入してしまいました。こちらでは学校は9月始まりなので6月の学期末はこの学年最後。通知表やら夏休みの宿題やらもどっさり貰って帰ってくるのですが、なんといっても楽しみなのが、「今学期のアルバム」と呼ばれる、全科目のまとめバインダーです。

国語にあたるカタルーニャ語、スペイン語、英語、算数、環境(理科と社会が一緒になった教科?)、音楽、図工、などなどがぎっしり詰まっているのですが、図工の作品の中に、こんなかわいい切り絵を見つけました。

普段はバスケットボールとか、コマとか、アングリーバーズとかパックマンなんかの絵を書くのに、なんだかスカートの女の子が3人も居て、しかもお姫様っぽいドレスです。「君がスカートの女の子を描くなんて珍しいね。何をしているところ?」と聞いたら、一言
「違うよ。これラス・メニーナスなの」と。

!!!!!

そうなのです。これ、ベラスケスの超大作、ラス・メニーナスを切り絵で模写した絵なのです。わー面白いことするなあ、と思って再びじっくり見てみると、はいはい、これ本当にお姫様なのですね。そして手前に居る猫みたいなのは、相当怖い犬ですよ。

この絵、実はとても謎の多い絵で、鏡やドアの向こうという奥行きや、この絵を描いているベラスケス自身が描かれていたり、大人にも難解な作品らしいのです。マドリッドのプラド美術館ではいつもこの絵の前にたくさんの人が群がっていますし、有名だからというだけでなく、何故か素通りできないでじっくり見入ってしまう物語性があるのですよね。そんな絵を子供たちに再解釈してもらおう、なんてなんだか興味津々なのですが、温が一番面白いと思ったところは、「描いている人が絵の中に居ること」だったみたい。

「ああ、これ、頭のところ取れちゃってるけど、これがベラスケスなのね」と言うと、「違うよ。これ温だよ。描いてるの、僕だから」と。なるほどなあ。失礼しました。

 


そして今学期、ミロ美術館へ行ってミロのことをたっっくさん学んだイウが作ったのはこれ(写真右)。

これはすぐに分かりました。「女と鳥」というタイトルの、ミロ公園にある巨大な彫刻作品です。それでこないだ「トイレットペーパーの芯、学校に持って行くから捨てないで」ってたくさん集めていたのか~(笑)。

こんなになんでもなくてもちゃんとミロっぽくなっているからすごいなあと感心していると、「ミロは、赤青黄、緑と黒が好きだったんだよ。」と。ああ、それでなのですね。確かにここにオレンジや紫があったり、黒がなかったりしたらミロだとは分からないかも。

アーティストのことを型にはめて習ったりする必要はないとは思うのですが、こんなに小さな子ども達でも、こんな授業のおかげで、美術館に行ったり、公園の彫刻の前を通りがかったりする度に、「ミロだー」とか「ガウディのトランカディス(セラミックやガラスを砕いて破片を貼りあわせて作った面)だ」とか言ったりするのを見ると、個性を認識する力、があるってなんだかすごいなあと思ったりするのでした。

他の授業の話は、また次回。
ではみなさん良い夏休みを!

Column by Tomoko SAKAMOTO
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)
というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに二人の男の子を育てています