-001.お煎餅 from Japan

こんにちは。世界おやつ文化研究員のムラカミユカコです。

世界中の老若男女を魅了してやまないおやつという食文化の魅力を解明し、世界中の午後3時に笑顔を!を合言葉に日夜探究を続けております。

インターネットの普及により大抵のことはおうちにいても調べられる時代となりましたが、どんなにITが発達しても「美味しさ」はコンピュータからは伝わりません。

おやつの持つ本当の魅力が、各家庭でもママの味で再現出来るようレシピ調査をし、実際に試してみることで至福の午後3時の雰囲気をレポートしてまいりたいと思います。

記念すべき第一弾は、祖国日本を代表する庶民のおやつ、お煎餅です。

 

おやつプロファイリングその1 「お煎餅 from Japan」

おそらく、お煎餅を食べたことのない日本人はいないのではないでしょうか。そして、「オレせんべいはマジ苦手」という方もあまりお見かけしないように感じます。それくらい、日本人にとってポピュラーな食べ物です。穀物の粉を水で練って持ちやすい大きさの円形や四角形に薄く成形し、焼いたり油で揚げて、塩、しょうゆなどで味をつけるのが一般的な煎餅の作り方です。さほど難しい作業工程ではなさそうですが、ご自宅で手作りされるケースは極稀で、煎餅はお店で買ってきて食べるおやつ、というのがノーマルスタンダードでしょう。

 

お煎餅発祥の地は日光街道第2の宿場町と言われる草加(現在の埼玉県草加市)。ここで団子屋を営んでいたおせんという老婆が、団子を平らにして焼いてみたのは始まりとか。確かに丸めたお団子をギュっと潰して焼いたらお煎餅ですね。

 

更に総務省の家計調査から、「2012年度・都道府県別せんべい消費量」第一位は栃木県で年間8,709円、全国平均が5,239円となっています。この数字はここ10年間あまり数字の変動が少なく、和のおやつとして羊羹や饅頭が年々消費減少傾向にある中で安定した需要があると言えます。

 

さて、ここまでの考察で日本のおやつ界においてのお煎餅の立ち位置は「No.1ではないけど筋の良い常連客がついてる安定株のチイママ」的な存在であることが明らかになりました。(本当か?) そんなお煎餅を、手づくりでママの味バージョンで再現しよう!ということでラボキッチンで試してみることに。

 

材料

1.上新粉 150g

2.お湯(熱め)200ml

3.砂糖 大さじ1

2.醤油 適当量

3.みりん 適当量

4.砂糖 お好みで

1: 1.2.3をボオルに入れて良く混ぜ、こねる。適当にちぎって丸めて手のひらで伸ばす。

2: 蒸し器で10分くらい蒸す。

3: 2をざるなどに置いて天日干しする。(中が乾くまで良く干す)

醤油とみりん、好みで砂糖を入れてタレを準備しておく。

5: 焼き網を弱火にかけ、2を並べる。

6: ぷぅっと膨らんできたら裏に返して、膨らみマックスまで待ち一気にトングの背等で潰して平たくし、焼けるまでじっくり待つ。

7: しっかり焼き固まってきたら、3のタレを両面に塗り、再度焼き網上で焼き色をつける。


・助手は当研究所の児童研究員(8歳・男)お煎餅は好きですが自分で作るのは初めてです。

助手「お母さん」

所長「所長とお呼び」

助手「…しょちょう。これ、お餅じゃないの?」

所長「餅ではない。お煎餅だと言っておろうが」

 

・膨らんだらモグラ叩きの要領で潰していく作業は大変盛り上がります。

助手「おりゃー!!ぺったんこの刑だぁー」

所長「あー!!右が膨れておるぞー叩けぇぇ!」

助手「「うぉぉぉー」

 

・タレを塗って再度焼き網へ。芳ばしい香りが立ちのぼり完成への期待感が…

助手「お母さん」

所長「所長だと言っておろうが」

助手「…これ、お餅だよね?」

 

所長「だからお煎餅!お煎餅ったらお煎餅なの!!」


完成です。

…うーん。叩き過ぎでもはや丸くないですね。

焼きたてのお煎餅を食べるのは生まれて初めてですが、少し冷ましてパリっとさせてからのほうがいつもの食感に近いようです。というか、焼きたてはパリッとお煎餅!いうよりサクッ、フワァと言う感じで、むしろダクワースに近い感じ。助手のおっしゃる通りお餅の表面がクリスピーな感じに近いです。

 

助手「うむ。お餅みたいで美味しい!」

 

冷めたら乾燥材(シリカゲル等)をいれた缶にいれて、少し落ち着かせて食べると、うーむ、歯にはかなり重力がかかるが味わい深い。やはり決め手は天日干しの時間のようです。きちんと乾燥させてから焼かないと、差し歯が折れるような固さの代物に。そして、保存はかなり難易度高いので、一回に食べ切れる量を作ることをお勧めします。

 

プロファイリングNo.1 お煎餅

手作り満足度 作業工程 ★★★☆☆

                    味      ★★☆☆☆

マリアージュ 玄米茶 ほうじ茶

Column by  ムラカミユカコ/Yukako MURAKAMI

世界おやつ文化研究所・所長

おやつ文化及び午後3時における人間の行動心理を探究する1児の母

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コメント: 2
  • #1

    HITOE (木曜日, 16 1月 2014 14:56)

    所長と助手のやりとりが面白すぎます!? 最高です!(≧∇≦*) とても楽しく読ませて頂きました (*^^*) これ次回は揚げてみてはどうでしょうか?(おかき風) 何から作っていたのか分からないのですが、(乾燥させたカチカチのダイス状のお餅のようなものだったのは確かです!) 昔、祖母がおやつにオカキ(風!?)を手作りしてくれていました! 揚げたてにお塩まぶしたり、お砂糖まぶしたり、お醤油まぶしたり・・・ すごく楽しみだったのを思い出しました! 昔のシール式タッパーごときの密封度で何日かは保存して食べてように思います...昔だから...ね(笑) 実家に帰ったときに母に原材料が何だったか聞いてみよう!! 次のおやつまほうも楽しみにしています (^ ^) 

  • #2

    所長 (金曜日, 17 1月 2014 04:17)

    Hitoeさんありがとうございます。おばあさまとの素敵な思い出エピソードですね。
    揚げ煎餅、良いですね!当研究所の調査によりますと、揚げ煎餅を作る場合、米油を用いるのが良いそうです。
    米と米で相性がよいこと、サクサク感が出ること、等が理由のようです。
    また、「おかき」とは「御欠」で、餅を小さく欠いたもの、それよりも更に小さくなると「あられ」、「霰」と称するようです。
    こういうどうでも良い知識は午後3時のおやつタイムを彩る最高のネタですので、どうぞご活用ください!