-026.8歳のお誕生日

みなさまこんにちは。

 

今年8歳になった長男の温の誕生日は、我が家にとってはいつも以上に記念すべき日となりました。

小さい頃から人見知りが激しくパーティーが苦手、少し大きくなって物心ついてからも誕生会をやると誰を呼んで誰を呼ばないか、なんて考えるだけでも恐ろしいという感じで、自分が呼ばれる時でも本当に本当に仲の良い一握りの友達の会以外は参加したくないみたいだし、これまでずっと家族(従兄弟、おばあちゃんを含む)だけで誕生日をお祝いしてきたのですが、今年もまた恒例のように「今年はどうしようか。友達を呼んで誕生会をやる?それともいつもみたいに家族だけでいい?」と聞いたら、真剣な顔で、意を決したように、「エミルと、ジェップと、ヴォロと、マテオと、イッツィを呼んでやる」と友人リスト付きの返事が。

 

本来ならこのくらいの年になると誕生会の準備も去年よりもっと、と大変に感じてくる頃なのですが、何せ我が家はそんなわけで今年が初めて、気持ちが否応にも盛り上がります。

 

まずは会場の設定。自宅や近所の公園ではなく、前々から気になっていた、バルセロナのちょっと北の方にある、ラビリンス、つまり迷路庭園を会場に選ぶことにしました。家族で二度ほど行ったことがあるのですが、けっこうな大きさで、初心者には半端ない難しさ。思い切り走り回って運が良くても15-20分くらいは出てこられません。

ここに仲良しの友達を連れてきたいなあ、とずっと思っていたようです。

 

そして次は招待状づくり。

もちろん、迷路の絵を書きます。8の形で試行錯誤しながら、鉛筆で下書きをして、何度か間違えたりしつつも、完成。

「ロボットみたいな文字で書きたい」というリクエストを元に、親子で頑張ってこんな招待状が出来ました。

 

招待された仲良し6人組の5人は、皆とっても喜んでくれましたが、3人の都合が合わず、会は来週に延期に。

誕生日自体は金曜日だったので、家族でご飯ね~と思っていたのですが、来られる子供達だけ呼んで食事もしたいというので、誕生日当日は「誕生会ではない食事会(笑)」ということで、みんなに来てもらいました。

 

お寿司大好きーという子もいれば、和食は食べたことがないという子もいたのですが、みんなお箸にトライしたり、タマゴだけ抜き取って食べたり、白いご飯とお味噌汁しか食べない子供がいたり。

それぞれの方法で楽しんでくれたみたいです。

今回和食が初めてだったマテオは、「今日のご飯、すごく美味しかった」といってくれて、「もう、いつでもまた来てよ~!!!」と抱きしめてしまったのでした。


誕生日当日は、少し曇り空でしたが、二人の男の子は家族連れで、あとの3人は子供だけで参加してくれて、学校の最寄り駅で待ち合わせてみんなでメトロに乗りました。

 

毎日のように顔を合わせているし、お互いの家にも何度も行き来しているのに、みんなでメトロ、というだけでもうすごい特別感のようです。

何度も何度も駅をチェックして、早くもおやつをかじってみたりして。

そして示し合わせたように、先を争うようにしてプレゼントの絵を披露してくれる子供達。

男の子らしく、「Star Wars」と温の大好きな「ポケモン」を描いてくれています。

こういうの、ものすごく嬉しいんですよね~!

長く記念にとっておいてあげたいなあ、と思っています。

 

そしてここが迷路です。

みんなでピクニックをしたり、単に走り回って遊んだり、迷路はもうそれはそれは何回も出たり入ったりしてゴールにある池でもびしょ濡れになるまで遊んで...........。

 

こちらの誕生会では欠かせない?ピニャタと呼ばれる小さなプレゼントが入ったくす玉は、子供達が争っておもちゃやお菓子を取りあうのが嫌だからという理由でカット、ケーキも「生クリームとかのデコレーションもチョコレートも入れないで」というので普通のパウンドケーキを大きめに作っただけの簡単でシンプルなおやつです。

 

パーティーか?と言われれば、ほとんどそういう雰囲気もなく、単にいつものように遊んでいただけなのですが、温はみんなが休みの日に自分のために来てくれた、というだけでものすごく嬉しかったみたいで、皆とっても楽しそうに過ごしてくれました。

 

家に帰ったら、特別なことをした感じはなかったにも関わらず、なんだか彼なりに緊張していたらしく、いつもの10倍疲れていつもよりもずっと早くベッドに潜り込んでしまいました。

こういう緊張感、彼はもともとは嫌いでなるだけ避けてきたような気さえするのですが、それでもやってみて、楽しかったという記憶が残ってくれたみたいなので、それだけでも良かったなあと心から思っています。


そして、私が個人的に一番うれしかったのは、8歳になってやっと、「ママが外国人である」ということで、いいこともあるかもね、という風に彼が思い始めてくれたような気がしたことでした。こんなに外国人の多い学校に通っているのに、ではあるのですが、私の話すカタルーニャ語は下手だし日本語のアクセントもあるし、学校で私が彼に日本語で話しかけるのもあんまりうれしくなさそうだったのですが、自分の友達がお寿司やおにぎりを珍しそうに美味しそうに食べてくれたり、日本のことに興味を持っていろいろ聞いてくれたり、ポケモンの生まれた国だったり、いろんな事がちょっとづつ重なって、ちゃんとうれしい、と思ってくれたのは、今年が初めての事だったような気がします。

そして、なかなか自分からありがとう、という習慣がつかなくて、いっつもプレゼントを貰ったりしたときに「ねえねえ、何か言うこと忘れてない?」と私に急かされている彼が、誕生会の翌日の夕方くらいに、ではあるのですが、あらためて、ぼそりと、「ママ、昨日の誕生会楽しかった。ありがとう」と言ってくれたのは、私にとっても本当にいちばんのプレゼントでした。

 

もう8歳にもなってしまったし、これからはきっと「ママママ」言わなくなるだろうとは覚悟しているつもりでいますが、これからも、なるだけ「うざがられない(笑)」そして、そばにいることを時々ちょっとだけでも嬉しがってくれる、そういうママでいたいなあと改めて思った誕生日でした。

 

ではまたごきげんよう。

みなさまも素敵な秋をお過ごしください。

 

Column by Tomoko SAKAMOTO

カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)

    というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです

     「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに二人の男の子を育てています  

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コメント: 1
  • #1

    Hisako Rabaso (火曜日, 07 1月 2014 20:21)

    夫はカタルニア人とイタリア人を両親に持つブエノスアイレス生まれです。アメリカに住んでおりますので、子供たちはアメリカ人の20歳と18歳の男の子です。トモ子さんは一生、家族のお姫様ですよ~。男の子は家を出て遠く離れていても毎日電話をくれますし、3,4日おきにスカイプです。これは、ラテン系の遺伝子なんでしょうか。アングロ系とラテン系と比べてみると、ラテン系の親子関係、特に母と息子関係は特別に新密度が高いと思います。家族で外出するする時は私の隣を奪い合い(笑)。一種のゲームなんでしょう。二人ともティーンの16,7歳ごろまでアイデンティティーにはかなり悩み、いじめにもあいましたが、今はそれぞれがこの国の人間として自分たちの将来を見つめています。体が大きいとついつい内面も成長していると勘違いしがちで何度も失敗しました。男の子は精神の成熟度が女子に比べて遅いと思いますので、どんなことでも、5歳の子供に接するようによく話を聞いてあげ信頼関係を築いてください。驚くような男の子の胸の内を明かしてくれますよ。世界の架け橋になる子供を預かっているような気持ちで子育てを楽しんでください。