イギリスに暮らす上でいまやなくてはならないもの、購入して本当に良かったなぁと思えるもの、
それは『ナショナルトラスト』のメンバーシップカードです。
ナショナルトラストとは?
イギリス国内の貴重な歴史的建造物やガーデン、
自然環境などを後世に残していこうとする1895年に設立された民間の非営利団体です。
文化遺産・自然遺産を対象とした保護活動を目的に今日も多くのボランティアに支えられ運営されています。
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イギリスにはナショナルトラストの管理の元、都市化や野放図な開発から守られ、
半永久的に保全されている場所が全土に渡って点在しています。
かつて貴族所有の邸宅であったマナーハウスや季節ごとの自然が楽しめるトラディショナルなイングリッシュガーデン、
ありのままの自然が残る森や海岸など。
イギリスならではの光景が存分に楽しめる場所がほんとうにたくさん!
日本人に馴染みのある湖水地方などは、その1/4の土地がナショナルトラストによって管理されています。
イギリスという国が昔から変わらず秩序のある街並を保ち、
美しい自然に敬意をはらい保存活動へ 対する人々の意識が高いのは、
ひとえにナショナルトラストの功績が大きいのだと思います。
ちなみに施設入場の際に通常大人1人8~10ポンドはかかるところ、
年会費を払ってメンバーに加入すれば1年間何度でも利用でき、また駐車場も無料となります。
ファミリーメンバーシップは年会費97ポンド(大人2名&子供何名でも無料)
例えば家族3人で5カ所も回ればすでに元は取れる計算です。
長期の学校の休みや週末など、元気いっぱいな子供を連れてさてどこへ行こう?という時は?
まずは『ナショナルトラスト』のウェブサイトをチェック!
家族で楽しめるような場所が各地域ごとにズラリとリストで紹介されています。
先日義理両親の住むイギリス中部に行った際も、ウェブサイトで最寄りのナショナルトラストを調べたところ、
とても興味深いマナーハウスの存在を知る事ができました。
『Wightwick Manor&Gardens』という邸宅。
マンダー・ファミリーというペンキブランドで成功を収めている起業家家族が1937年まで暮らしていた家だそうです。
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ため息が出るような精細な作りのチューダー建築様式に圧倒されます。
素晴らしい内装デザインも必見。
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特徴としては各部屋全てにおいてイギリスの詩人でありデザイナー、
ウィリアム・モリスのオリジナルの壁紙がふんだんに使われている事。
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書斎やダイニング、寝室、子供部屋、キッチン、帽子やブーツだけを置いておく納屋のような部屋までも。
かつての家主の審美眼で選ばれた美しいものに囲まれた当時の生活が、そのまま大切に保管されています。
例えばドアノブ、窓ガラスの細工、手塗りの天井のパターン、タイルの質感やデザイン、
好きな物だけを厳選した豊かな生活、この日もこの邸宅から学んだ事がたくさんありました。
このようにナショナルトラストを巡る事によって、
大切に受け継がれている人々の丁寧な暮らしぶりを垣間見る機会が与えられ、
イギリスの文化をより深く体感し、とても多くのインスピレーションを得る事が出来るのです。
最後に、暮らしの美を追求したウィリアムモリスの言葉。
"役に立たないもの、美しいと思わないものを家に置いてはならない"
はっとさせられる言葉です。
column by Masae Lamsdale/ラムズデール 昌栄
グラフィックデザイナー/1973年広島県生まれ
都内デザイン事務所勤務を経て、2000年より独立
夫と4歳になる息子、蒼一郎(そういちろう)とイギリス在住
ヴィンテージのデザインやタイポグラフィ、家具が好きで
グッドデザインに基づいたバイイング活動も始動中
イギリスデザイン・ヴィンテージのオンラインショップ&Stillをオープン
http://www.andstill-vintage.com/
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