-013.夏休み前半、つくってあそぼうの巻

みなさんこんにちは。 

 

6月末から、温(6歳)の学校が終わり、長い夏休みに突入しました。 

イウ(幼稚園)は7月の半ばまでまだ幼稚園があるので、その間、温を、イウの幼稚園の隣にある公民館(というのでしょうか。もともと修道院だった 建物を改装して出来た公共の文化センター)で催されていたサマースクールに、学校の友達何人かと一緒に入れることにしました。今年の春から私も夫も会社勤めを辞めて自宅で仕事をしているので、去年に比べてかなり子供の送り迎えに対するストレスも減り、また、子供たちと一緒に居られる時間が増えました。 

 

イウは、まだ3歳ですが、以前お話したように9月からお兄ちゃんの温と同じ学校に通うことになるため、保育園最後の年で、お別れ会などの催し物も 目白押しだったのですが、そこでお世話になった園長さんや保母さん、保父さんたちと卒園するみんなに配るためのメモリーブックを私と夫で担当して作成する ことにしました。思えば保育園や学校の保護者会というのはなかなか興味深い集まりで、皆仕事とは別に子供たちのことを思って参加しているわけですが、自然 と職業的役割分担のようなものが出来てきて、経理の仕事をしている人が保護者会の会計をしたり、通信会社で働いているママが保護者会のウェブサイトを作成したり、イベント運営を仕事にしているお父さんやお母さんが中心になって演劇を催してくれたり、私達のようなブックデザインと編集を仕事にしている夫婦がこうしてメモリーブックを作成することになったりするわけです。特に最初の保護者会などで自己紹介する時に公言したりするわけではないのですが、子供たちの話をしていて自然にどういう仕事をしているかという話になり、学校や保育園の外ではなかなか知り合えないような職業の人達と親しくなれるというのは振り返って考えてみるととてもありがたいことだなあとつくづく思います。しかも皆学区内、つまりご近所さんですしね。

 

このメモリーブックは、実は温が当時通っていた保育園を卒園するときにも似たようなものをつくった経験があり、それがとても好評だったので、イウの保育園でも提案して作らせてもらったのですが、デザイナーの特権を利用して、なんと全然違う保育園のメモリーブックなのに、同じ大きさで作ってしまいました。とても小さな本ですが、見開きに子供の写真と家族のコメント、みんなの絵や写真などがコンパクトに収まっています。コンセプトは「20年後に見て面白い本」。子供たちは楽しかった保育園と友達のことを、ちょっとでも覚えていてくれるといいな。親はきっとおばあちゃんおじいちゃんになっても忘れないだろうけれど。全員分のコメントを集めるのが実はそれはそれは大変だったのですけれど、作って見て本当に良かったです。子供たちも親たちも先生たちもとても喜んでくれました。 

 

 

さてそして子供たちが二人とも夏休みになって、夫と交代で働きつつ子守り、なのですが、海やプールに行ったり、友だちの家に遊びに出かけたり、毎週のように誕生日パーティーに呼ばれたり、なかなか忙しく過ごしています。特に日課とまでは行きませんが週に2、3度の割合で楽しんでいるのが、「海水浴 夜ご飯」。地中海の夏は日も高く、ランチの時間にビーチへ行ってかんかんでりのお日さまの下で子供たちの日焼けを心配するよりも、夜9時半くらいまで明る いので、夜7時頃に夕食を作って温かいままランチボックスに詰めてビーチへ行き、朝よりずっと温かい水で、人も少なくなった海でひと泳ぎしてから海を眺めつつごはん。9時頃に家につくと夕食はもう済ませてあるのでささっとお風呂に入って砂を流してそのままベッドに入れば疲れた体で子供たちもすぐにぐっすり 寝てくれます。これはもう本当に一石二鳥三鳥という感じで、しばらくやみつきになってしまいそうです。

 

 

昼間の暑い時間はむしろ外へ出ず、海に行かない日は昼にプールに行く事もありますが、家でいろんな遊びを楽しみます。温の方は大分器用になってきたので、お絵かきや工作が本格的に楽しくなって来ました。温はいまポケモンに夢中なので、友達の誕生日にその友だちが好きなポケモンの絵を描いてプレゼントするということになり(大人の視点からすると本当にこれで喜んでくれるのかな~と実はちょっと半信半疑でしたが、とても喜んでくれて、後日その子が別の友達の誕生日に同じ事をしてきてくれたので感激してしまいました)、私が台紙に張ったり額をつけたりして気分を盛り上げます。 

 

別の日には温がアニメ「Wall-E」のビデオを見てすっかり気に入ってしまい、「ママ、ロボット作りたい」というのでちょっと考えて、持ってい るラジコンにダンボール製のWall-Eをくっつけて遠隔操作で動くロボットを作りました。つまりウソのロボットですが動きがけっこう可愛かったり、お腹に箱ポケットをつけて圧縮ゴミが飛び出すようにしたり、ああでもないこうでもないと改良を重ねて丸一日これで遊んでしまいました。そんなに遠くないうちに本当のロボットを一緒に作ろうね! 

 

 

一方イウの方は、工作にはまだちょっと器用さが足りませんが(できあがった箱にクレヨンで色を塗るくらい)夏に入って突然音楽に目覚めたらしく、 毎朝自分でお気に入りのCDをセットして歌ったり踊ったり木琴を叩いたりしていたのですが、トランペットのおもちゃを買ってあげたすぐ後に、「タイコが欲 しい」というので「じゃあ今度はつくろう」ということにして、これもダンボールを切り貼りして作ってみました。「たこをあげるひとまねこざる」を読んで欲しがったヘリコプターも、その日の朝ごはんのシリアルの箱を切ってつくります。不出来でもヘナチョコでも、自分たちで作ったものは愛おしいしとっても楽しい。もう少し大きくなったらこういう「子供だまし」は効かなくなってしまうのかもしれませんが、「なにか欲しい」と言われた時に、買う前に自分たち作れないかどうかを考えられるようになったのは子供たちにとっても大人たちにとっても(つまり想像力にとってもお財布にとっても)いいことかもしれないなあ、と思っています。 

 

 

 

 

では夏休みの続きはまた次回。 

みなさんも、どうぞ良い夏をお過ごしください。


 

Column by Tomoko SAKAMOTO

カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
ブック・デザインとその周辺を手がけるSPREAD(www.spread.eu.com)

というスタジオを主催する編集者・ママのコラムです
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
6歳の温(おん)と3歳のイウ、の二人の男の子を育てています