-002.下町風情が香るメニルモンタン:パリ20区

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Paris Promenadesを書くにあたり、友人が忘れかけていたステキなカルチエを思い出させてくれました。
パリの北東部にあるメニルモンタン(Ménilmontant)。
その昔、パリ郊外地区に属していたこの界隈は、19世紀後半パリ市に編入されるまで
大衆キャバレーやダンスホールが栄える庶民的なエリアとして親しまれていました。
その後多くの移民たちがそこに暮らし始め、コスモポリタンな街へと移り変わり、今も下町風情な香りが漂います。

家族で散歩をしていたこの日は、 11区のオベルカンフ (Oberkampf)でランチを済まし、
メインストリートのメニルモンタン通り(rue de Ménilmontant)へ向かいました。
緩やかなスロープを歩いていると、まず最初にジェローム・メスナジェの大きな落書 きアートが目に留ります。
陽気に踊る男たちを描いたこの壁画には「C'est nous les gars d'MENILMONTANT」(メニルモンタンの男は僕たちさ)というメッセージと左下には彼のサイン入り。
こんなユーモアなストリートアートは他にもいっぱい点在していて、街の中にとてもうまく馴染んでいます。
今度は反対側の歩道へ渡って、廃線になった線路跡を発見。ひっそりと、でも何か存在感がありま す。
時間があればメインストリートから少し外れて色んな道へ彷徨うのもお勧めです。
魅力的なスポットが沢山潜むこのエリアは、散歩コースも奥深い。
長いスロープも終わりに近づき、いよいよ後ろを振り返ってパリ一望です。
今上ってきた坂の延長上に、薄らとスモークがかったパリ市街が美しく広がります。
青と赤色が際立つポンピドゥセンターの建物も遠くから見ると一段と逞しい。
今回は少し時間が早かったのですが、日没前に訪れるとパリの街が夕陽に染まり、より感動的な景色に出会えます。

美景に浸る間もなく、「公園は~?」「トボゴン(滑り台)は~?」と横でコールし続ける娘達に急かされて、渋々(笑)近くの公園へ。
でもどこを歩いていても、すぐに気の利いた公園や憩いの場所が見つかるので、パリの散歩は子供連れでも助かります。
たくさん歩いた後の Goûter(おやつ)はさぞかし最高だったことでしょ う。

Infos:Ménilmontantエリアへのアクセス
Metro2番線Ménilmontant駅

Jardin Carré-de-Baudouin(今回訪れた公園)
119-121 rue de Menilmontant 75020 Paris

column by Michiko P.
日本、フランスで長年貿易の仕事に携わり
現在は新しいフィールドを模索しながら充電中
暇があれば、銀塩・デジタルカメラを持ってパリを遊歩する
仏人オットと娘2人の4人暮らし