-006.雲の上が見える場所

仕事の関係でよく飛行機に乗ることがある。東京から大阪は約1時間、東京から福岡は約2時間、上海に行くときには2時間半。そうした合間にふと、外を見ると、雲の上の風景が見える。今日は機内から見える雲の上の風景をスケッチしたいと思います。

雲の動きを見ていると、風の流れがよくわかる。まるで波がさざめくように、海の表面を見ているかように、風は雲にいろんな表情を作り上げる。地上からみた雲とは、また違う不思議さだ。時には激しく、時にはとても穏やかに動いている。海で見る波よりはスローモーション、でも動き方はとてもダイナミックだ。

多分、地球が誕生してから、雲はずっとこうして動いてるんだなぁと太古の昔に思いを巡らせる。宇宙飛行士が宇宙から地球を見て、いろんなことを考えたように、飛行機からみる雲の上もなかなかのものだ。地球って本当に美しい。。。

「自然はシンプルさと一貫性を愛する(天文学者・ケプラー)」という言葉を思い出す。完璧というのは、こうして風の流れに任せてシンプルに動くことなんだなぁと実感する。多分、余分なものはあまり必要がないのだ。そして、一貫して風の赴くままに動く。取り繕ったり、我慢や嘘がない。そうしたことが完璧なんだろうなぁと思う。まるで無垢な子供たちが遊んでいる風景を見てるかのように、心地よい、洗われる、癒される気分…。

「間もなく高度を下げて参ります。シートベルトを締め、リクライニングシートをもとにお戻しください。」夢心地を現実に引き戻すかのようにアナウンスが流れてきた。やれやれ、大人の世界は、なかなかシンプルには行かないものだ。飛行機を降りると、少しリフレッシュした自分がいる。さあ、頑張って仕事だ。

 

 

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column by 梶谷拓生/Takusei KAJITANI
エクスペリエンスデザインを仕事にしてます
技術やデザインやヒトを融合して新しい体験やサービスを創りだす仕事です
サッカーをこよなく愛し、今も地元チームのミッドフィールダーとして活動中
サッカー好きな長男、音楽好きの長女を持つパパでもあります