-012.かわかみじゅんこさんの絵本紹介<1>

パリ在住のまんが家かわかみじゅんこさんに、2回にわたって絵本を紹介して頂きます。

1回目は、自分が小さい頃に愛読していた絵本を、むすめの6歳児ちゃんに買い直した数冊です。

色がたくさん使ってあって、ちょっとこわかったり、ちょっと理不尽だったり、

勧善懲悪なお話より、そんな物語が好き、というかわかみじゅんこさん。

さて、どんな絵本が飛び出すでしょうか?!

 

 

「えんにち」

色がいっぱいなんですよ。セリフなしで絵だけなので、外国人のお友達にも喜ばれました。

縁日を組み立てていって、お客が集まってきて。

きっと60年代に描かれた物だと思うんです。服や浴衣も可愛くて。

「おにより つよい おれまーい」

ちょっと絵が怖いんです。力が強い男の子がいて、なんでもできちゃう。

これはサトワヌ島民話なんですが、そんな話って世界のあちこちにあるらしいんです。

決まって、そういう子はみんなに怖がられて捨てられそうになる。最後にはみんなに受けいられるお話。

「かさもって おむかえ」

雨が降ったからお父さんを迎えに行く。動物たち専用の車両があったり電車の中の旅。

やっとお父さんに会えてホッとしてポロッと泣いちゃう。こどもなりに気を張っていた。

そこが娘も好きみたい。こども心に共感出来るみたいです。

「だるまちゃんとてんぐちゃん」加古里子さく

すごくいいなとおもうのは、カタログ的に楽しめるところ。

いろんな物が出てきて「私はこれ」「私はこれ〜」と小さいときにそんな風にして遊びました。

だるまちゃんがすごくわがままで、てんぐちゃんはすごく優しくて、ちょっと不条理なんですよ。

「優しくしなきゃいけないよ」とか説教臭くない。

そういうことそういうこがいるよ、というお話。

「おつきさまこんばんわ」

キレイですよね。林明子さんやっぱり好きですね。正当派という感じですね。

 

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column by かわかみじゅんこ/Junko KAWAKAMI
1973年生まれ。茨城県出身
子供の頃より漫画家を目指す
流しのアシスタントを経験後、1995年に角川書店よりデビュー
2004年からパリに在住。日仏両国にて、漫画家として活動中
近著に「日曜日はマルシェでボンボン」第2巻(集英社)、
「パリパリ伝説」第6巻(祥伝社)から発売中