-007.6歳のお誕生日

もうすでに先月のことなのですが、長男の温(おん)が6歳になりました。 6歳といえば日本では小学校1年生。こちらの9年制の学校でも、3歳組から5歳組の保育部を終えて、日本のように「一年生(プリメラ)」になりま した。とはいえ、入学式もなく、仲良しの友達も皆3年前から同じクラスなので、まったく新一年生、という実感はありません。そして先月もお話ししたように 学年は生まれた年で別れるので、10月生まれの温は、新学期早々誕生日を迎えたとはいえ、クラスでは遅生まれ、ということになります。

3歳から5歳までの間は、誕生日の当日に学校に手作りのケーキやチュッパチャップスなどの好きなおやつを持って行き、クラスで紙でつくったかんむ りを頭に載せてもらってお祝いしてもらっていたのですが、1クラスに23人の子供がいるので「そんなに何度も授業中に特別にお菓子が食べられる日があるの は良くない」ということになり、今年から「月末にまとめて、クッキーやビスケットなどのごく簡単なものでお祝いしましょう」ということになりました。

温には物心ついた頃から毎年、「友達を呼んで誕生会をやろうか?」と聞いているのですが、いつも結局家族で(と時にはご近所さんなども加わるくら いの)ちょっとだけ特別なご飯を作り、ケーキを焼いて小さな誕生会を開くだけにしています。親としては助かるような、とはいえちょっと寂しいような気もし ていたので、今年は実はわりと直前まで、公園で、木に飾りをつけて、大きなシャボン玉をつくってくれる人も呼んで、などとパーティーを開こうと準備してい たのです。けれども誰を招待しようか、という話になったときに「クラスの友達」と「学校以外の友達」と「ママやパパの友達の子供」を混ぜたくなかったり、 この子は呼んでこの子は呼ばないという判断をするのがイヤだったり(他の子供の誕生会に呼ばれた時に、普段知らない子供が来ていたり「僕が呼ばれてあの子 が呼ばれなかったのはどうしてなんだろう」などと気になったりしていたみたい)一悶着あってやっぱり家族だけでお祝いしたいと本人が決めました。小さい頃 からシャイで、知らない子たちを含む大勢の子供たちと一緒に遊ぶのが苦手だったので、まあいつか本人がしたいと思ったときにすればいい、と無理はしないこ とにしています。

とはいえ、パーティーをしなくても、特別な誕生日にする方法は他にもあります。一つは、3歳の頃から作っている、「誕生日Tシャツ」です。今年はどんなのにしようか、と数日前から一緒に考え始めたら、夏に新しく買った48色クレヨンを取り出して、こんな絵を描きました。なるほど。赤いシャツで、真ん中に金文字で6。 どうやらいつかのバルサのユニフォームなんかから影響を受けているようです。 金と銀のクレヨンを使うのはこの日が初めて。彼なりに特別感を出したかったんでしょう。

というわけでこのデザイン画を元に、実際に出来上がったのはこんなシャツ。なかなか忠実に出来ているでしょう?金色の布を切ってミシンで縫いつけたのですが、その型紙も本人が作りました。 これを誕生日の朝学校に着ていったら、みんなすぐにその意味を分かってくれたようです。「今日誕生日なの?おめでとう!」と言われて、そしてみんなに金色の部分をいっぱい触られてくすぐったかった、と言っていました。

 

 

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今年はこれまでのように学校でかんむりを作ってはくれなかったのですが(それは3歳から5歳までのクラスの子だけみたいですね)、そのかわり、もっとずっと素敵なこんなプレゼントをもらって持って帰ってきてくれました。

子供たちが、みんなで描いてくれた絵とメッセージです。 学校のどこかの時間で、きっと30分くらいなのだと思うのですけれど、
「今日は温の誕生日だからみんなでカードを描きましょう」という時間を作ってくれたという事実には本当に感激です。
(表紙の白鳥は、クラスのシンボル・アニマルです。9月にみんなの投票で決めました。) おめでとうFelicitats、という文字もそれぞれの子供がときどき間違えながら一生懸命書いたり、 日本とカタルーニャの旗の絵を描いてくれた子もいました。

 

 

◁ そして家族からのプレゼントはこれ。

ローラーブレードです。この夏の前からずっと欲しがっていたものだったのです。 まだ早いんじゃないかな、危なくないかな~と思ったのですが、買いに行ってみると、なんとほぼ イウ(もうすぐ3歳)のサイズもありました。そんなに小さい頃から練習できるんですね。

最初はもちろん立つことも出来なかったのですが、4歳からスキーを始めたりしていたのが良かったのか、 (スキーとスケートじゃ随分違うような気もしますが、滑ってみると動きはちょっと似ています) 何度も何度も転んだあと、突然なんだか一応滑れるようになりました。 大人は転ばないように転ばないように気をつけながらおっかなびっくり覚えていきますが、子供はどんどん転んで転んで覚えていくのですね。肘、膝、手首をサポートする器具がとても良くできていて、あっという間にそのサポーターのほうが傷だらけになって行きました。

 

月末に学校に持っていった、小さなクッキーはこちらです▽。 6歳なので6の形に抜いて、穴の部分にちいさなチョコチップを逆さまに埋め込んで穴の代わりにしてあります。イウがお昼寝をしている間に温と一緒に、イウはまだ2歳なので「2」の形のクッキーもちょっとだけつくってあげました。

学校ではみんなメガネを作ったり「割れてゼロになっちゃったから交換してよ~」などと言いながら大喜びで食べてくれたそうです。

ちなみに誕生日のパーティーをするときのこちらのスタイルは、自宅または公園の一角に風船などの飾りをつけて、ピクニックをするというものだと思 います。子供が小さいうちは親も一緒に来ますから、全員分の食事を作るのはとても大変なので、皆で一品づつ持ち寄って交換しながら食べます。子供が大きく なってくると、子供同士だけでお祝いということも出来るようになるので、その場合は親が送り迎えをしに来ます。みんなで歌ったり、ボールやロープなどを 使ってゲームをしたり、みんなでケーキを食べたりしながら夕方までのんびり過ごします。そして最近では招待状に「どうかプレゼントは持ってこないで下さ い。」と一言書き添えてあることがとても多くなりました。プレゼントをいっぺんにたくさんもらってしまったときに、子供が「こっちよりあっちのほうがい い」などと言ってひとつひとつにきちんとありがとう、という気持ちになれなかったりすることも多々ありますし、そもそもそんなにたくさんのおもちゃはもう いらない、あまりたくさん持っていることは良くないと考えている家庭が多いから、というのが理由のようです。そこで私たちが誕生会に呼ばれたときは、プレ ゼント可の時は絵本を持って行くことにしています。そしてプレゼント不可の時は前日になるだけ頑張ってカードを作って持っていくことにしています。字と絵 を描いて切り絵や折り紙をくっつけたりしながら時間をかけてカードを作ると、「おめでとう」という気持ちが子供にもちゃんと湧いてくるような気がしていま す。

普段の一日一日もそうなのですけれど、何をあげるか、ではなくてどんな時間を子供と過ごすのか、を意識することががやっぱり大事なんだなあ、と誕 生日にはあらためて考えさせられるのでした。もうすぐやってくるクリスマスも同様ですね。そんな話はまた今度することにしましょう。

Column by Tomoko SAKAMOTO
建築とデザインの出版社Actarにて編集の仕事をしながら
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
6歳の温(おん)と2歳のイウ、の二人の男の子を育てています