-005.VACANT

さる10月、実に半年ぶりとなるKID'S DISCO VOL.6を開催しました。今回はパリのED BANGER RECORDSのDJ MEHDIへの追悼が裏テーマにあり、彼と交流があったDJ MAARくん(DEXPISTOLS)、REVOLVERのKIRIくんに参加してもらい、フライヤーを作ってくれているRIMOくんにもそのテーマを汲んでもらいました。みんなの協力もあり、4月のVOL.5開催時には震災で避難している子供も多かったり、親も気持ちが落ち着かなかったりと通常の1/3くらいの集客だったのが、今回は人出も戻ってひと安心。そしてちょうど09年10月に行ったVOL.1から2年が経ったことに感慨の念もひとしお。
 個人の趣味でこじんまりとスタートしたKID'S DISCOはブッキングもプレスも全てを自分で行うDIYスタイル。思いきってスタートしたのはいいけれど、初めてのことばかりでわからないことだらけなうえに、本職のエディトリアルが忙しい時は全く手が回らない。そんな時にいつも叱咤激励してくれているのがKID'S DISCOの開催場所でもあるVACANTのスタッフです。
 VACANTは原宿にあるアートスペースで、運営するのはカルチャーを心から愛する20代の若者たち。アートのエキシビションを企画するだけでなく、音楽レーベルを立ち上げたり、ミニシネマのようなイベントを行ったり、カフェ&ショップとしても機能しています。好きなことを熱心に、丁寧に行っている人たちが醸す自由であたたかな空気は本当に居心地がよく、オープンから約2年半ほど経つ今では東京のクリエイターたちに愛される良き”たまり場”になっています。
 VACANTと出会ったのは、初回の開催時に親も子も寛げて交通手段も便利なところはどこだろうと様々な場所を探しまわっていた時。広さや利便性もさることながら、ハンドメイドの居心地のよさが滲み出る空間や什器、そしてスタッフの真摯さに惹かれました。KID'S DISCOのヴィジョンに賛同してくれた彼らは、事前準備の手伝いはもちろん、着ぐるみの中に入って素晴らしく格好良く踊って子供を喜ばせてくれたり、忙しさにまぎれて開催を怠っていると喝を入れてくれたりと、もはやイベントのオーガナイズには欠かせない存在となっています。彼らのヘルプなくてはKID'S DISCOを2年間も続けることができなかったはず。本当にいつもありがとう。そして毎回来場していだいている皆様、興味津々で遊びに来てくれるクリエイター陣、取材に入ってくれる媒体の方々、2年間見守っていただいてありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!

info: VACANT  http://www.n0idea.com

 

『Today’s Set List』
DJ Mehdi "I Am Somebody"/Metronomy "The Bay (Erol Alkan's Extended Rework) / Surkin "Ultra Light"

/ Digitalism "Circles (Eric Pridz Remix) / Breakbot feat. Ruckazoid "Fantasy"

Column by 桑原亮子/Ryoko Kuwahara
エディター/KID'S DISCOディレクター
カルチャー誌のエディターを務めながら

原宿のアートスペースVACANTにてこども同伴音楽イベント「KID'S DISCO」を不定期開催

5歳の息子と3歳の娘と共に過ごす日々

KID'S DISCO VOL.7は2012年2月開催予定。www.n0idea.com