-003.Long long vacation

折り紙もちょっとづつ始めています。鶴とかは無理だけど、数字なら。5、3、2。ほら出来た。
折り紙もちょっとづつ始めています。鶴とかは無理だけど、数字なら。5、3、2。ほら出来た。

 

さてここカタルーニャでは、一年で一番昼の長い日のすぐ近く、6月23日の夜を、サン・ジョアンの祭りとして盛大な花火で祝うのですが、それを境になんと子供達の長い長い夏休みが始まります(ちなみにクリスマスは一年でほぼ最も夜の長い日だという指摘もあるそうですね。冬はクリスマスを、夏はサンジョアンを祝うというのは対としてもなかなか素敵な習慣です)。地中海沿岸の国々が多分どこもそうであるように、大人も通常皆4週間の長いバカンスを堪能できる権利があるのですけれど、それにしても子供の学校の夏休みの長いこと!新学期は9月12日とほぼ9月も中旬ですから、ざっと3ヶ月弱、長い長い休みがあるのです。

フランス同様、こちらもだいたい親は共働きが基本なので、そんなに長い夏休みの間子供達はどうするんだろう?という疑問に答えるべく、我が家の場合どうしているか、ということをご紹介します。そう、この7月はまるまるそういう「子供は夏休みだけど大人は夏休みじゃない」、プレ・バカンスの期間だったのです。

1 サマースクール
我が家の場合、次男のイウがの通う保育園の夏休みが長男の温の学校よりも短いので、しばらく温をどうするか、というのが最初の課題でした。それに対しては、プライベートな会社が町中の公立小学校の建物と校庭を使って開催しているカサル(サマースクール)に参加するという方法があります。一週間単位で参加でき、参加費もベビーシッターよりはお手頃で、朝の9時から午後5時まで、みんなでスポーツや工作をしたり、プールや美術館、博物館、公園、郊外の農園などに出かけたりもします。お昼ご飯もみんなで食べられて、子供が一日楽しく過ごせるということで、こちらを利用しました。

会場となる学校は、普段通っている学校でもいいのですが(そうすると何人か知っている子供がいる可能性が高い)、せっかく夏休みなのだから、いつもと違う環境で新しい友達と接してなんとなく特別な感じで過ごしてほしい、ということで敢えて違う学校を選ぶことにしました。温は割とシャイなのですが、たった一人、イタリア人のレオ君という仲良しの友達ができて、楽しく通っていました(仲良しになれる子供が一人見つかるかどうか、がカギみたいですね)。

2 ベビーシッター
これも多くの家族にとって割と一般的に利用されているサバイバル方法です。何せ子供たちと一緒に家に居てもらうのですから、いいベビーシッターをどうやって探すか、というのは重大でなかなか難しい問題です。私たちも友人づてにこれまでに何人ものシッターさんを利用してきましたが、今年に入ってはじめて、とってもいい方法を見つけました。それは子供が通っている学校で、給食の時間にモニターをしてくれているバイトの学生さんたちをつかまえる、という方法です。スペインの場合、ベビーシッターの仕事をしている人たちの多くは南米からの移民です。若くても子育て経験が豊富だったり、小さい頃から兄弟の面倒を見ていたり、とても人なつこくていい人が多いのですが、その性格からか、若干「子供に甘すぎる」傾向がどうしても否定できない印象がありました。おやつをあげすぎてしまったり、見せてといわれるとすぐにテレビを見せてしまったり・・・。その点、小学校で給食モニター経験のあるバイトの学生さんたちは、多くの子供たちを時にはビシバシとまとめあげ、親のような、というよりも先生のような接し方をしてくれるので、頼りがいがあります。何よりも、子供が実際に「知っている」人が家に来てくれるので、大喜び。いつもはみんなと一緒に遊んでくれるモニターの先生をほとんど独り占めできるのですから、特別感も満点です。私たちは今年の夏は、一日中ベビーシッターを雇う、ということはしませんでしたが、午後だけ、夜だけと何度か利用して、窮地を救ってもらいました。

3 交代勤務
私と夫は同じ出版社で編集者とグラフィックデザイナーの仕事をしているので、幸運なことに時間の融通がけっこうききます。そこで、母である私が早朝から午後2時半まで、父である夫が午後3時半から夜中まで働く、というスタイルで育児と仕事を両立させることが可能です。両親がそれぞれ子供と一緒にゆっくり居られて、海やプール、美術館や公園などいろいろな場所にも出かけたり、家で思う存分子供たちと工作したり絵を描いたりもできるので、割と夏休みの気分をたっぷり堪能できますが、一つものすごく残念なのは、私と夫が一緒にいる時間がほとんどない、ということです。朝は夫と子供が起きる前に私が出勤してしまうし、夫が帰宅する頃には私も子供も寝ているので、昼間に子供たちの世話をバトンタッチする一瞬だけで、食事も一度も一緒にとれませんでした。コミュニケーションはほとんど電話とメール。一緒に住んでいるのにとても変な感じです。

4 リモート・ワーキング
そしてこの方法はいよいよ半分バケーション的な方法です。今週はバルセロナから電車で約3時間ほどの距離にある、フランスとスペインの国境沿い、ピレネーの山中の町であるプッチェルダでアパートを借りて避暑に行きます。私と夫で数日交代でバルセロナへ戻り、バルセロナにいる間は150パーセントくらいの勢いで仕事をし、プッチェルダにいる間は子供の面倒を見ながらハーフタイムで仕事をします。子供たちはやっとバルセロナから逃避行できますし、親もバルセロナに一人で居る数日間、奇跡的に「本当に一人」の貴重な時間が得られます。久しぶりのヨガ教室、友人との夜の食事、映画。親になってからというものなかなか出来なくなっていたいくつかの楽しみをここぞと堪能する予定でいます。

今回の写真はそんなプレ・バカンスの日常的な写真をランダムに集めてみました。
来月の投稿では、我が家の本当の夏休み、家族4人でアムステルダムへ旅行する予定なので、そのことを書こうと思います。皆様どうか良い夏休みを!

 

*写真をクリックすると写真が大きくなり、キャプションが表示されます*

Column by Tomoko SAKAMOTO
建築とデザインの出版社Actarにて編集の仕事をしながら
カタルーニャ人でグラフィック・デザイナーのダビ・パパと一緒に
「遊んであげない。一緒に遊ぼう!」をモットーに
5歳の温(おん)と2歳のイウ、の二人の男の子を育てています。