-009.Les florales

Les  florales/花の小物


週末の朝は、いつもより時間をかけて丁寧に朝食を作ります。
たいしたメニューではないけれど、こだわっているのは半熟卵。
丁度良い加減に半熟卵が出来た時の嬉しさったら!
「ラッキー!」と思わず歓声を上げてしまうほど、その日一日いいことが起こりそうな予感。
ちなみに何度も失敗を繰り返した挙げ句、完璧な半熟卵を作るコツは、卵を片手鍋に入れ、真水から沸騰するまでじっと待つ。
 ぶくぶく沸騰してからさらに、一分間というのが私流です。
縦長の棒状にカットした焼きたてバゲットを熱々の半熟卵に浸しながら食べてみる。うーん、やっぱりおいしい!
マルシェで買った季節の果物を刻んで、プレーンヨーグルトをかけるだけのフルーツサラダとお砂糖たっぷりのミルクコーヒー。

こんな感じが、最近定番の週末朝食メニューです。 

明るい太陽が差し込むテーブルセッティングも 週末だけはロマンティックな気分で楽しみます。
小花プリントのランチョンマットを用意して、花モチーフのお皿やカップ、そしてエッグスタンドまで花模様。
ちょっと下品かな?というギリギリのフラワーオンフラワーのコーディネートもウィークエンドならではの浮かれ気分だからこそ、

許される気がします。
花柄は写実的なリアル過ぎないものを厳選しているのも、こだわりポイントです。

エッグスタンドは、数年前仕事で行ったアントワープの小さな蚤の市で見つけました。
ミッドセンチュリー時代のプラスチック製ボディにカラフルな花の絵。
LOVE&PIECEなヒッピーテイストがお気に入り。

2個セットのコーヒーカップは、東京スタイリスト時代にアフタヌーンティで購入したもの。
渡仏を決めた時、スーツケースに詰めて持ってきました。
どのくらい滞在するのかも、住む場所もなにも決めずに来たパリなのに、どうしてこのカップを荷物に入れたのか、

今振り返っても不思議ですが、海を越えて、時代を超えて、今でもお世話になっている大切なカップです。

60年代の丸いプレートは、ノルマンディの蚤の市で。
この時代にフランス各地で発達したエマイユと呼ばれるエナメル加工に絵付けされた上にガラスが張ってあるもの。
廻りの金属は使っているうちに錆びも出てきましたが、捨てられずに、時々メンテナンスして使っています。

ランチョンマットはIKEAで。
マルメッコに代表される北欧のお花モチーフというと大柄なグラフィックイメージが強いのですが、

これは繊細な小花柄が珍しくて買いました。

時には思いきりファンタジックな可愛い雑貨でいつもの朝とは違う気持ちのゆとりを噛み締めてみる。
ワクワク楽しいウィークエンドの始まりは、ハッピーテイストのフラワー小物と美味しい朝食から。
さて、午後はなにをしようかな?
あれこれ考えるだけで、一日の始まりが俄然元気になります。

Column by 鈴木ひろこ/Suzuki Hiroko
スタイリスト・ジャーナリスト
パリの街をお散歩しながら、モード、人、もの
店などいろいろなカワイイ!を見つけるのが趣味