子供には、ハイハイ~つかまり立ちの頃に使う歩行器、歩けるがダッシュで走れない頃の手押し車兼四輪乗用玩具など、
成長に合わせた補助玩具がある。
息子には1歳の誕生日に、機関車トーマスの手押し車兼四輪乗用玩具をプレゼントした。
このトーマスは、2歳ちょっとまでの間、押され、乗られ、座席下の物入れにアレコレしまわれたりと、良き息子のパートナーだった。
しかし、この手の玩具は、乗る本人がその性能を上回れば使われなくなる運命なわけで、3歳を迎えた息子は、
今や危なっかしくて見てられないヨチヨチ歩きの子ではなく、歩くよりも乗用玩具で移動した方が早い年齢でもない。
必然的に、この乗用玩具は今や、押されることも、乗られることもなくなり、10ヶ月もの間、居間の片隅に追いやられ、
座席下の物入れに息子がたまに何かを隠すくらいにしか使われなくなった。
このトーマスも役目を終えたと判断して、三輪車や、 自転車にグレードアップするのもいい。
しかし、そのライフサイクルは少し短い気がして物足りなさが残る。
そこで、捨てる前に補助玩具だったものを、本当の 玩具にする、ちょっとした改造を施してみることにした。
目指すは、「ぐりとぐら」が大きな大きなタマゴの殻で作ったモノ・・・
それでも相手にされなければ潔くトーマスには引退してもらおう。
用意したのは、100円均一で買ったプラスティック製のカゴ、キャスター用の車、後は適当な木の棒と紐。
そして出来上がったのが不格好だがコチラ。
さて、トーマスはどうなったのか?結論から言うと、トーマスは息子の新たなパートナーとして完全に返り咲いた。
これを作ってからの2ヶ月間というもの、毎日欠かさず息子はトーマスに乗る。いやどこに行くのも一緒だ。
大切な玩具やオヤツも荷台に積み込まれ、荷台は常に満載だ。
それらは、父の書斎に運び込まれ、ときには寝室の秘密基地にトーマスごと運び込まれる。
あるときは宅配便のお兄さんになる。
あるときはスピルバーグの「激突!」のトラックさながら、父を追いかけ回す凶暴なトラックと化す。
そして、最近では寝る前に洗車や、工具で愛車のメンテナンスを欠かさない。子供はアソビの天才だ。
それはさながら、打ち寄せる水が岩を削り、美しい彫刻を 造るのに似ていて、大人のロジックでは到底造り出せないモノだ。
息子が、物 を大切にすることを学んだのか、いつまで持続するのかは分からないが、息子に何かが起きたのは事実だ。
そして、息子もトーマスも嬉しそうに見えるのも、父 からすれば事実だ。今はそれだけで十分。
これこそアソビの醍醐味なんだ。
Column
by LIGHTWOOD/ライトウッド
IT 業界の会社を経営しつつ、現在3才になったばかりの息子の父で
どんな事でも創造する楽しさを教えたいと奮闘中
なるべくデジタル玩具から遠ざけたいと考える父と
父の寝てる間にiPhoneを使いこなすデジタル・ネイティブな3才の息子との闘いが日々続いている