生後半年くらいから息子は夜泣きするでもなく、よく夜中にパッチリ起きた。
ある夜、目覚めてしまった息子はベッドサイドの薄暗がりの中、父の膝に座っていた。
暫く大人しくしていた息子、視線をピタリと父の背後に据え、そして、父の身体を盾にして、頭をヒョコっと出したり、
サッと隠れたりして、クスクス笑い始めた。振り返っても誰もいない。
むひゃー!私は全身サーッと総毛立った。息子は部屋の隅の暗がりの"誰か"とカクレンボをしてるのだ。
また、ある夜は突然目覚めて、天井の一点を見据えてキャーと泣く。
歩けるようになると、玄関の暗がりの一点を見つめて恐怖に凍り付いていることもある。
私も一瞬玄関を見つめて凍り付くが(何も居ないし)、サッと息子を抱えてそこから逃げるw
"この子は Six Sense か!" と心配になって Google 先生に聞いてみた。
見つけたのは、似たような心配をお持ちの親御さん多数と、「そのうちなおるから、あんまり気にしない」と言う経験者の発言多数。
そういうもんかと、恐いときは息子をダッコして、頭を肩に押さえつけて気持ちが落ち着くまで待つことにした。
1歳半くらいになると、色んなシンボルを怖がるようになった。例えば! マーク。
バスの中、送電ボックスの扉、電池蓋にも、ACアダプタ、いろんな場所に危険を示す、△の中に!という危険シンボル。
!が逆さまになった英語のiも、工事車両のミニカーについた△のマークも、エアコンやPCの点灯ランプだって恐い。
私は家中の息子の恐いと指差すものに片っ端からガムテープを貼りまくった。
2歳になると絵本や、テレビや、ビデオに出てくるオバケ、怪獣、その他は一切受け付けなくなった。何かを怖がるのも成長の証。
漠然と自分が小さい頃にも色々なものを怖がったことは覚えているから、「ナニが恐いの?」なんて聞いても仕方ない。
2歳半を過ぎたある日のこと、息子は父の腕に抱かれてまさに眠りに落ちそうだった。
そのとき「パパ・・・パパはどこにも行っちゃわない?」と囁くように聞いた。あまりにも唐突だったので一瞬返答に詰まった。
「だいじょうぶ、どこにも行ったりしないから、ゆっくり寝なさい」そう答えると、息子はそのまま眠りに落ちた。
それから、息子は時々思い出したようにこの質問をする。
朝起きてスヤスヤ寝てる息子を起こす。不機嫌な顔は、朝のフルーツで笑顔になる。
朝ご飯を食べ、着替えをして、歯磨きをして、プレスクールに行く。夜ご飯を一緒に食べて、遊んで、いっぱい笑って、
お風呂に入り、歯磨きして、早く寝なさいと言いながらまた遊んでしまって、最後は少し抱っこして寝かしつけたら1日が終わる。
休日はお弁当を持って、山登りしたり、公園に行く。育児とは生活そのものだ。その生活の中に幸せは沢山ある。
親子が一緒に居るのは、特別なことだ。今は一緒でも、いつかは必ず離ればなれになってしまう私たちなのだ。
息子と同じように、私もこの子がいなくなったらと恐怖に怯えることもある。
だから1年に1回の息子の誕生日は、私たちにとって特別な日だ。
息子の1年間の成長と、一緒にいられる幸せを感謝し、彼のさらなる1年の健康を願う日だから。
こんな恐いものだらけの息子にも三回目の誕生日がやってきた。
部屋を飾り付けて、イチゴが山盛りのケーキを一緒に作って、Happy Birthday を歌い、
ロウソクを吹き消し、素敵なプレゼントを開ける。
今回はその翌週にも preschool で、2回目の誕生日パーティが、先生の手作りケーキとともに行われた。
何と2回も誕生日が!
最近、息子は朝ソファーで父の膝に抱かれて「パパ、今日も、誕生日ケーキ、またやるの?」と聞く。
いや、もう来年までやらないよ(笑)次の誕生日まで、また一緒に恐いモノと戦おう。
お誕生日おめでとう。
そして、chocolatmag愛読者のみなさん、どうぞ素晴らしい新年をお迎えください!!
See you next year !! :)
Column by LIGHTWOOD/ライトウッド
IT 業界の会社を経営しつつ、現在3才になったばかりの息子の父で
どんな事でも創造する楽しさを教えたいと奮闘中
なるべくデジタル玩具から遠ざけたいと考える父と
父の寝てる間にiPhoneを使いこなすデジタル・ネイティブな3才の息子との闘いが日々続いている