-006.作者は少女ANGELE

ナタリー レテ

もう6年前になるけれど、アンジェルが9歳のときにパリの交通機関が大々的なストライキを行った。

彼女の学校もお休みになり、両親のどちらかのアトリエで3週間の毎日を過ごした。

ママは日本で大人気のアーチストのナタリー・レテ、パパはコンテンポラリーアートの画家トマ・フジェルルです。

「ママとパパのアトリエは同じ建物の1階と2階。上に行ったり、少しあきると下に行ったり、毎日デッサン(お絵描き)をして過ごしました」とアンジェル。

「そのとき描いた似顔絵が、ちゃんと個性があって、可能性を秘めたタッチだった」とパパのトマのお墨付きだ。

そこで、少し時間をかけて描きためてはどうだろうか? とママのナタリーが提案した。

アンジェルはそれからの1年間、会う人ほとんどを描いた。

基本的にはアンジェルが描きたいように自由に描いた。

ナタリーとトマは、色々な本を見せて「こんな描き方もあるよ」とさりげなく教えた。

そして、200人のポートレイトが描き上がり、この「PORTRAITS」が出来上がった。アンジェルは10歳

ページを開くと、しっかりとモデルの特徴をつかんだ、それでいてどの絵もアンジェルらしいポートレイトの集まりだ。

なにを描いても彼女らしい、彼らしいという自分の作風を生み出すことがいちばん大変なことで、その自分らしさが見つかれば作家としての第一関門を通過したことにもなる。

それを、10歳でクリアした彼女はある意味天才なのだと。

そんな評価の中、マレのセレクトショップ[レクレルール]で出版記念パーティまでやってしまった。

そのときも、アンジェルは来てくれた人々を描きまくった。

まるで、ストップが利かない様子だったとか。

そして、15歳になったアンジェルは、今はポートレイトに限らずゆっくりと好きな時に絵を描いている。

将来のことを考え始めているけれど、画家ではなくファッション・デザイナーになりたいと今は思っているらしい。

左がナタリーで右がトマ。ママとパパのポートレイトは何枚も描いた。その中のいちばんのお気に入りを掲載

 

ANGELE FOUGEIROL/アジェル フジェルル

15歳、学生。

 

Column[パリの子ども部屋]でANGÈLEの部屋をご覧になれます。

Family PortraitでNathalie LÉTÉ & Thomas FOUGEIROLのインタビューと写真がご覧になれます。

column by chocolatmag