はじめまして!
暮らしの中でずっと愛されてきた雑貨や、何年経っても変わらない愛嬌たっぷりのオブジェたち。
パリの日常で大切に使われてきた素朴な雑貨を偶然見つけては、お店の前で立ち止まってじーっと見つめたり、
つい買い込んでしまったり。
眺めているだけで、ほんわりとあたたかな気持ちになれるようなものが昔から大好きです。
なくても全然困らないけど、つい手が出てしまう、ちょっと古くさくてカワイイもの!
そんな雑貨のあれこれをご紹介していけたらと思います。
記念すべき初回はコンフィチュールポット。(ジャムポット)
昔から大好きで、すこしづつ集めてきました。でも実は甘いものが苦手な私は、中身より容器が目当て。
だから、蚤の市やブロカントで空になったポットを買うことが多いのですが...
たまに外国の変わった形に惹かれて、旅先からも持ち帰ったり。
(重くてもカワイイもののためには労力を惜しみません!)
今でこそ、フランス人の毎朝の食卓に欠かせないコンフィチュールですが、
その昔、ジャムは高級品で、食後のカフェの前にひとくちお味見するジャムセレモニーなるものが行われていたそう。
ポットの形は、コンフィチュールの種類同様にいろいろなフォルムや大きさが揃っています。
口が広く開いたもの、脚付きのおしゃれなグラス型、ずんぐりとした丸い形のもの。
厚みのあるガラスは、多少乱暴に扱っても簡単には割れない丈夫なところもお気に入り。
でも、単に美しいからと飾るだけでは勿体ない。うちではいろいろと活用しています。
花器として花や植物を飾ったり、パセリやバジルなどの葉野菜を入れてキッチンの隅にいつも常備。
密閉蓋付きポットには、自家製ふりかけや野菜のマリネを保存したり、
残ったパスタソースを入れ、そのままレンジでチン!と温められるし、
サラダのヴィネグレットソース作りにも毎回お世話になっています。
ノルマンディに住む義理の母は、毎年ノエルになると、
ツリーやソントン・プロヴァンシャルと呼ばれるテラコッタ製のキリスト生誕のお人形と一緒に、
小さめのコンフィチュールポットの中にキャンドルを飾り、家中にデコレーションします。
透明のポットの中でゆらゆらと光るたくさんのキャンドルの炎をはじめて見た時には、
『わー、ヨーロッパっぽいィーーー!』と感動しました。
そんな義母と一緒に、珍しい形や昔のコンフィチュールポットを見つけるという私的使命のもと、
毎回ノルマンディに行くたび、田舎のブロカント巡りに情熱を注いでいます。
ごく稀に気泡の残る古いポットに出会えたり、手にした時のずっしりとした感触や、
ガラスの半透明の美しさ、剥げかけたチケットのレトロな可愛さなどなど。
なにはなくても、見つけたら買わずにはいられない雑貨、それがコンフィチュールポットなのです。
Column by 鈴木ひろこ/Suzuki Hiroko
スタイリスト・ジャーナリスト
パリの街をお散歩しながら、モード、人、もの
店などいろいろなカワイイ!を見つけるのが趣味