-011.ガタガタの家

泣いていいのは?
色々考えさせられる事の多かった2011年。息子はスクスクと大きくなって4歳になった。

皆さんにとって X'mas はどんな日でしょうか?我が家の X'mas は、サンタさんが来る前にこんなことがありましたよ。

 

「ようし、今年も頑張ってお菓子の家を作るとしようか!」
「やった~!作る作る~!」
「ようし、それでは君はこのお菓子を全部開けて、このトレイの上に全部出してしまってくれるかい?」
「ハサミで良いの?切って?」
「そうそう、いいね、そんな感じ・・・大丈夫かい?」

 

キラキラ光る小粒な砂糖菓子を開けようと苦戦している息子に手を貸したかったが、生憎父は家の土台となる壁をアイシングで取り付けていてそれどころではない。
「あぁ・・」小粒なキラキラがバラまかれた。
「よしよし、大丈夫。半分くらいは机にあるからそれをそのトレイに全部入れてしまおう。パパがやるよ。」
「あ、パパ倒れたよ!」
ジンジャーブレッドハウスの壁が倒れた。
~20分後~
「さて、壁も付いたようだね、パパがここに白いのを塗ったら、そこにウエハースの壁を付けていってくれるかい?そうそう・・・」
「パパ、これは食べてもいいのかい?」(父の口まね?)
「いいよ、食べても。さて、次はアイシングで氷柱を作ってみようか」
「ツララ?」
「窓のところに雪がたれてるみたいに・・・」
「あ、ぶら下がって、とんがってるやつね?」
「そうそう。それはパパが窓のところにアイシングを塗るから、バターナイフで下に引っ張るんだよ。

いいかい?あ、うまいね、いいねそんな感じ」
「パパ、これは壁にも塗った方がいいんじゃないのかい?」
「いや、それは塗らなくていいよ。塗らなくていいってば。ダメダメ、あ、あんまりやると、壁が・・・」
「パパ、倒れちゃったね!」
「大丈夫大丈夫、まだアイシングが緩かったみたいだ。でも壁にはもう塗らなくていいからね。ツララ頼むよ」
~40分後~
「さて、次は屋根だね。屋根は重みでズリ落ちちゃうから、アイシングで付けたら、その下にお椀を置いて支えておく。

そして、屋根の上にアイシングを塗るから君はこのマーブルチョコを置いていってくれるかい?」
「パパ、これは食べてもいいのかい?」
「良いんだけど、これはあんまり数がないから1つだけだね」
息子は屋根を支えているお椀にマーブルチョコを入れて、1つ1つ屋根に付け始めた。
「うまいうまい、あんまり数がないから反対側の屋根の分も残しておいてね。」
夢中になってる息子は屋根を支えていたお椀をムンズと掴んで反対側に回ろうとした。
「あ、お椀は取ったらダメだ!あ~・・・」
屋根が崩れて、壁も一部壊れ、塀がほとんどなぎ倒され、息子は泣き始めてしまった。
「泣くな、そんなことで。男の子が泣いていいのは?」
「痛い時と、悔しい時・・・」
(あ、しまった)
「だって、ぼく悔しいんだもん。うえ~ん」
「よしよし、大丈夫、泣くな泣くな。別なお椀を持ちなさい」

~60分後~
「パパがここに点々とアイシングするからそこに」
「あ、木を置くのね?(たけのこの里)」
「そうそう、頼むね」
「パパ・・・」
「どうぞどうぞ、食べてもいいよ。でもあんまり食べちゃダメだよ」(会話を先回りするのはお互い様だったか)
~90分後~
「さて、屋根は全部付いたようだね。また屋根の氷柱をお願いできるかい?」
「いいよう!」息子は職人のように器用に氷柱を作っている。
「その後は、屋根にこのキラキラを振り撒いて、この小さなハートのチョコを屋根とか壁に付ける。できるかな?」
「よし、できるよぅ!」
息子が色々なデコレーションを壁や屋根に施している間、父は煙突付けに取りかかった。いつもこれが付かなくて苦労する難関だ。
~100分後~
「パパ、煙突付いた?」
「いや、付かないな。すぐ落ちてしまう。少し乾くのを待つとしようか」
「フーフー!」
「いや、フーフーしてもすぐには乾かないよ。これはグルーガンじゃないからね」
~120分後~
「よーし、煙突も少し固まったようだから、煙突にも氷柱を作るとしようか。サンタは今度は屋根の上に付けようかね」
「あ、パパ、煙突が落ちたよ」
「おっと・・・ここをこうして・・」
「あ、パパ、サンタさんが落ちたよ!」
「・・・」

~140分後~
「パパ、サンタさんのお鼻が折れてるよ!」
「ん、まー3回も屋根から落ちたら無事じゃ済まないだろうね、仕方ないか」
「パパ、これはどうするの?(ポッキー)」
「あー、それは何に使おうかな?しかし、まだ使ってないのに随分減ってるな~」
「ここに付ける?」
「いや、付けないね。おい、止めろ止めろ。また壊れるぞ。ドアのところにでも使うとしようか・・あっ」
「パパ・・・!」
「またサンタが落ちたね・・・」

~160分後~
 「よーし、後はドアに少しデコレーションをしてお終いかな~」
 「完成?」
 「そう、完成だね。最後にシュガーパウダーで雪を降らせるよ」
 「やるやる~」
 ~170分後~
「やったー!ついに完成だ!!」
「・・・」
「ん?一体何を泣いているんだい?」
「パパ、嬉しいときは泣いてもいいの?」
「・・・勿論いいともw」
「パパ、あっち向いてて・・・」父を腕でぐいと押して向こうを向いた息子。成長したな~w
こんなドタバタも嬉しい日の前ならなんてことはない。そしてプレゼントがやってくる数時間前に、こんな小さな嬉しいことがあっても良いのではないか?それが我が家の X'mas

Column by LIGHTWOOD/ライトウッド
IT 業界の会社を経営しつつ、現在4才になったばかりの息子の父で
どんな事でも創造する楽しさを教えたいと奮闘中
なるべくデジタル玩具から遠ざけたいと考える父と
父の寝てる間にiPhoneを使いこなすデジタル・ネイティブな4歳の息子との闘いが日々続いている