-002.秋をたのしむ-2

アトリエ春-2

こどもアトリエ秋をたのしむ第二回目を迎えました。
前回、成形した作品を、乾かして素焼きをし、それから透明の釉薬(器をコーティングして色をつける薬)

を掛けてから本焼きをしておいたので、今回は、その焼き上がった作品に、上絵の具で色付けをしていきます。
大人の方の教室では、各自が釉薬を掛けますが、こどもがひとりでやるのは難しいので、私の方でやっておきました。
今回使用した上絵の具を使ったペイントは、筆やスポンジで簡単に出来ますし、焼いた後に色が変わる釉薬と違って、

焼成前と後で色が変わらないので、色遊びを楽しみながら行う事が出来ます。

それから私がなぜ『季節をたのしむ』をテーマにしてみようと思ったのか。。。についてです。
ものを創りたい、という衝動に駆られる時、何がきっかけとなるのでしょうか?
それは、インスピレーション、です。
私にとって、その源泉はどこにあるのか?と考えました。

それは、人間や自然など、全てのものとの一体感。。に行き着きます。
モダンでコンテンポラリーな、自然からは遠いような作品であっても(あるいは、だからこそ)、出発点はいつもそこにあります。
こども達が、作品を創りたいと思うまでのきっかけづくり、それには、感じる心を意識するための機会をつくることが必要です。
主役となるこども達のサポートをすることをメインに、私らしい風味も出すには、、、

それは、自然への愛を共に感じることだ! と気付いたのでした。

さて、こども達にとっての秋の色がどのようなものか、今回とっても楽しみにしていました。
大人だと、茶色がまず思い浮かぶ色かも知れませんが、こども達は、

日本の文化もフランスの文化も知っている上に、先入観もありません。

一体、どのような色で秋を表現するのかなと、私もわくわくしていました。
結果、個人差があったのが印象的でした。

日本と同じような色合いのものもありましたが、意外にもカラフルだったり、あるいは渋いカラーを選択した子もいたり。
それぞれが、思い思いの秋を、表現したのでした。

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絵の具の色を選びます。混ぜてオリジナルカラーを作ったり、、、納得が行く色探しを、それぞれ楽しんでいました。
色を選んだら、筆でペイントして行きます。大小さまざまな大きさの筆を使って、迷い無く色を入れて行く姿も、真剣です。
男の子は、シンプルな色使いを好むようでした。大人っぽい配色も、意外でした。
女の子はカラフルなものが多かったようです。色を作ったり、重ねたり、色合わせが上手です。

 

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秋の食べ物、、、栗やきのこなど、いろいろありますが、私にとって秋の味覚は、ぎんなんです。
フライパンをオリーブオイルで熱っした中に、ぎんなんを殻ごとソテーして美味しい塩をふっただけの、シンプル料理。
熱々のぎんなんの、地味だけど濃厚な味わいが、秋という季節にぴったりです。
実家の母が秋になると作ってくれるメニューでした。
今から振り返って見ると、私の母の料理は、基本的に、煮物系ではなく、オリーブオイルを使ったものばかりでした。なぜか。
母の味として有名な、サバの味噌煮も、肉じゃがも、、、食卓に上った事がありません。
ぎんなんのソテーは、一般的なメニューなのかどうか分かりませんが、私にとっては母の味のひとつです。
ぎんなんのイエローが北欧デザインの器、ARABIAの藍色に映えて、美しい色彩だったのを覚えています。
この色の組み合わせが脳裏にインプットされているからか、この秋のお気に入りスタイルは、

紺色ワンピース+レモンイエローのストールです。

おやつは、フランス人の料理人、モード・デュビュイさんが用意してくれました。

全て秋の有機素材を用いています。
写真はバターナッツという種類のカボチャ(クリーム色でひょうたん型をしています)ととリンゴのケーキです。

しっとりして、甘さ控えめ、優しい味でした。カボチャのほっくり感とリンゴの酸味が程よいハーモニー。
おやつの時間は、リラックスタイムです。「ピンク色のサブレは秋のどんなものを使ったものか分かる?」と質問したら、

「ぶどう」「りんご」「さつまいも」などの声が上がりましたが、正解は、‘ビーツ’でした。
ビーツのサブレは、ピンク色も自然な甘みも、野菜そのものの味。

ケシの実、ピスタチオ、カラメリゼしたヘーゼルナッツを散らした、三種類です。

 Column by 関美智子/Michiko Seki
フランス在住セラミック作家、アトリエCERAMICHI主催
コンテンポラリーでありながら同時にナチュラルな美しさも表現したセラミック作品を創作
レストランやカフェの器なども手がける
その他、展示会でアート作品を発表
セラミック(陶芸)をベースに様々なクリエイティブ活動を広げている
www.ceramichi.com