-009.ムーミントロールの国から愛を込めて

日本でも何十年も人気のアニメーション”ムーミン”

大自然を誇るフィンランドの象徴的なアーチストであるTOVE JANSSONが

1945年に発表した 「小さなトロールと大きな洪水」がムーミンシリーズの始まりです。

Family Portraitでも登場してくれたフィンランド人のSannaがその魅力を語ってくれました。

 

物心ついた時にはムーミンがそばにありました。まだ字が読めない小さいときにはクリスマスやお誕生日のプレゼントとしてぬいぐるみをもらったり、マグカップをもらったり。どの家にも何かしらムーミンのものがあるのがフィンランド。そのぐらいに愛されています。この絵本は長女のEAが幼稚園の時に買った物です。ちょっとした仕掛けがあって、ひとりでペラペラとめくって楽しんでいました。今は次女のRUMIの愛読書です。

長女EAは小学校3年生。今はフランス語に訳されたコミックタイプを読んでいます。そういえば、私が日本にモデルの仕事で行っている時にテレビでムーミンを見ました。なんと名前が違うんですね。ムーミンはムーミンだけれど、スナフキンはヌースカムイックネン、ニョロニョロはハッティヴァッティ、ミーはピック・ミュー。呼び方だけではなく、登場人物のキャラクターもちょっと違う様に思います。ミーはちょっといじわるな女の子として日本では描かれていますが、フィンランドではフィロソフィーというか、環境の象徴と言うか、私も大好きなキャラクターです。

私が初めて手にした物語はこの「VAARALLINEN JUHANNUS」。どこに引っ越しても必ず大切に持って行く物のひとつです。児童書なのに道徳的ではなく不条理な物語などもたくさんあって、哲学的だったり、詩的表現をするキャラクターがいたり、そしてそれをムーミンが理解できなかったり。そんな描写が妙にリアルな私たちの世界に感じられる。そこに引きつけられたのかもしれません。 そして、トーヴェ・ヤンソン、彼女の生き方自体もとても尊敬ができる。自然へのアプローチの仕方、パートナーと30年ちかくも夏を過ごした場所にバルト海のクルーヴハルを選んだセンス、小説家でもあり画家でもありそんなマルチな活動にもとても共感できるのです。

日本ではムーミン誕生60周年の2005年あたりから、翻訳本が次々に出版されたと聞いています。アニメーションのムーミンだけではなく、もっともっとムーミンの魅力をトーヴェ・ヤンソンの魅力を多くの人に知ってほしい!。次世代に残していきたい作品だと思っています。

 

 

column by  Sanna SAASTAMOINEN-BARROIS/サンナ・サスタモアネン・バロア

 http://sannasaastamoinen-barrois.blogspot.com/