-034.オンラインのレゴ・サマーキャンプ

みなさま、お久しぶりです。

あまりに久しぶりの投稿なので、書くのもなんだか緊張してしまうくらいなのですが、今年に入って何故かとても忙しい日々を過ごしておりまして、気が付くとカメラや携帯電話に入っている子供たちの写真の枚数までぐっと減ってしまって猛烈に反省しているこの頃です。

夏 休みは久しぶりに子供たちと嫌というほど一緒にいる時間をとって、自然に、街にと旅行にも出かけたりしておりましたが、今回は、夏休み旅行の話ではなく、 私達にはちょっと新しい体験ーそして世界中の何処にいてもみんなに是非おすすめしたい体験ーについて書きたいと思います。

昨 年、その前の夏にも書いたような気がしますが(笑)こちらの夏休みは、6月下旬から9月中旬まで、なんとほぼ3ヶ月に渡るそれはそれは長いものなので、 「親の夏休み」までの前半、親と一緒にすごす中盤、その後学校が始まるまでの後半という、3つの時期に分かれます。だいたいは、前半を近場のサマースクー ルに入れて学校の延長のような感じで過ごさせ、中盤は家族で一緒に夏休みを楽しみ、後半は家で宿題を片付けつつ夏休みから新学期の時差ボケを解消すべく規 則正しい生活に戻すリハビリ期間のように過ごすわけですが、せっかくの長い夏休みですから、子供たちがそれぞれ何か新しいことにチャレンジしたり、あるい はテレビやゲームなどスクリーンばかり見せてしまわないように、どの家族もいろいろ考えて工夫しています。

我 が家の場合は、長男も次男も図画工作やレゴが好き、ロボットなどにも興味あり、なのですが、たとえば市内のロボティクス教室などに通わせてみようとしたり すると大抵の場合は次男が年齢的にまだ無理で、しかも自宅から遠かったり時間的に合わなかったり、高額だったりして、単発で一度くらいのワークショップに 参加するのは楽しくてもなんとなく通い続けるのは大変だなあ、と思っていました。

ところが、夏休みの中盤に面白いワークショップを発見したのです。

DIY.ORG  という、子供たちのクリエイティヴな活動をシェアして応援する面白いサイトがあり、時々見て楽しんでいたのですが、そこで「テーマ別のオンライン・サマーキャンプ」 が始まったのです。オンライン・ワークショップは、実は以前イタリアのデザイン学校ABADIRに誘って頂いて、大学生くらいの大人を対象に先生として運 営する側で参加したことがあったので、継続の難しさも含めてだいたいのところは理解しているつもりでしたが、「子供がオンラインで何かを学び、あるいは遊 ぶ」というのを試してみたことはなかったので、興味津々で調べてみたところ、「ストップ・モーション」や「イラスト」などに混じって、「レゴ」や「マイン クラフト」など、現在の我が家の子供たちが夢中になっているテーマがあり、参加費も「初回10ドル」と破格の値段でまるまる4週間、毎日楽しめるというこ とで、試しに参加してみたのです。

仕組み は至って簡単で、まずユーザー登録をし、キャンプ費用を払って必要なアプリをダウンロードすると、キャンプ・リーダーのビデオ挨拶が見られて、あとは毎 日、リーダーが出してくれる課題(これも短いビデオ)を見て、自分でレゴの作品を作り、アプリ内でビデオ撮影をして投稿すると、次の日にはリーダーや、他 のキャンパーたちのコメントが見られる。それが毎日4週間続く、そういう感じです。毎日規則正しく参加してもいいし、3日に一度3作品を投稿してもいい し、あるいは興味のあるチャレンジだけ、好きなときにやる、というルーズな参加でも構わないので、自分のやる気と都合次第で好きなように楽しめば良いので す。

キャンプ仲間は全部で14人、皆ニッ クネームで参加していますが、ビデオで顔も見られるし声も聞こえるので、だんだん親近感が湧いてきて、お互いが顔文字を交えてコメントし合ったりもするよ うになります。ビデオの背景に、スターウォーズのポスターが貼ってあったりすると「この子もスターウォーズ好きなんだ!」なんてことも分かってしまうの で、仲間意識も倍増です。

「キッチン用品 をレゴで作る」とか「3ピースのレゴだけで何かを作る」などのとても面白いテーマが出て、どれも簡単に済ませてしまうこともできるし、ものすごく凝ったも のを作ってもいいのです。このキャンプが始まってから、うちの子たちは毎日ただかっこいいものを作るだけでなく、なんだかいろいろ考えるようになりました し、親が仕事しているときなどにたいくつだからビデオ、ということが随分減ったように思います。スイッチを押すだけですが、ビデオ撮影は大人の役割なので (笑)すべての作品をぜーんぶ見られますし、課題も発表も英語なので、英語というものが「勉強するものではなくて使うもの」ということがいきなりはっきり と良く分かった、みたいな反応を見せることもありました。わからない時は親が訳してあげたり、ビデオのセリフの原稿書きも最初は手伝っていましたが、途中 からはもう、間違っていてもなんでも、自分で頑張ってしゃべっていますし、作品の良し悪しは見れば分かるので、言葉は実はあまり関係ない、ようです。

毎 年頭を悩ませている「サマースクール」の新しいかたち、を発見したような気がして、とても楽しかったので、是非これを読んでいる方の中で一人でも参加して みようかな、と思ってくれたらうれしいです。いつかそう遠くないうちに、日本のサマーキャンプにバルセロナから参加、なんてことが出来るようにもなったり しそうで楽しみです。

ではみなさん、次回まで、ごきげんよう。